オリビアを聴きながら

オリビアを聴きながら

「オリビアを聴きながら」は、1978年11月5日にフォーライフ・[[レコード]]からリリースされた杏里のデビュー・シングルです。この楽曲は、シンガー[[ソングライター]]尾崎亜美が作詞・作曲を担当しており、シンプルながらも深い印象を与える内容です。

このシングルはオリコンチャートで最高65位にランクインし、販売枚数は5万5千枚に達しました。もともとはヒットとは言い難いものでしたが、年月が経つにつれ多くのアーティストにカバーされ、スタンダード・ナンバーとしての地位を確立しました。実際、尾崎亜美自身も1980年にリリースしたアルバム『MERIDIAN-MELON』にてセルフカバーを行っています。

杏里もこの楽曲を繰り返し取り上げており、彼女のベストアルバム『meditation』（1987年）、『16th Summer Breeze』（1994年）、『R134 OCEAN DeLIGHTS』（2003年）に収録されたバージョンがあります。特に『16th Summer Breeze』版は、米国の著名なプロデューサー、デイヴィッド・フォスターがピアノで参加しており、これにより新たな魅力が加わりました。また、『R134 OCEAN DeLIGHTS』版ではジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子もゲスト参加しています。

この楽曲が広く認知されるきっかけの一つは、1996年の大晦日に放送された『第47回NHK紅白歌合戦』で杏里が初めて披露したことです。この紅白でのパフォーマンスは、名曲として歌い継がれることが予見された瞬間でした。その後も、2003年の紅白では後藤真希によってカバーされ、これは彼女が「モーニング娘。」のオーディションで歌ったことが由来しています。

2019年には、NHKが主催した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」において、歌のランキングで紅組対象の94位に選ばれました。

楽曲のタイトルや歌詞に登場する「オリビア」は、イギリスのシンガー、オリビア・ニュートン＝ジョンを指しています。歌詞は直接的に彼女を歌ったものではなく、女性視点で描かれる失恋の心情を表現しています。主人公はオリビアの歌を聴きながら、孤独を癒され、過去の恋を振り返る姿が描かれています。実際、この歌の制作の際に、杏里がオリビア・ニュートン＝ジョンのファンであることがきっかけで尾崎が楽曲を仕上げたというエピソードもあります。

さらに、サビの部分に出てくるフレーズ「making good things better」は、オリビアが1977年に発表した楽曲「MAKING A GOOD THING BETTER」から取られています。元の曲が愛を育む内容であるのに対し、「オリビアを聴きながら」では終わった恋の切なさを表現しています。

このように、ひとつの楽曲としての背景やアレンジ、さらには多くのカバーを通じて、新たな解釈や生命を与えられ、今なお多くのリスナーに愛され続けています。

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