MERIDIAN-MELON

尾崎亜美『MERIDIAN-MELON』：創造性が光る一枚

『MERIDIAN-MELON』（メリディアン メロン）は、シンガーソングライター尾崎亜美が1980年9月5日に発表した6枚目のスタジオ・アルバムです。キャニオン・レコードへの移籍後初の作品であり、新たなスタートを切るにふさわしい意欲作として、当時注目を集めました。

タイトルに込められた想い

アルバムタイトルにある「MERIDIAN」とは「子午線」を意味します。このユニークなタイトルは、「もしメロンに子午線があったら…」という、尾崎亜美ならではの自由な発想から生まれました。尾崎自身は、このタイトルが収録曲の内容に直接結びついているわけではなく、「自分の気持ちを自由にする」という意志の表れであると語っています。

ジャケットデザイン

ジャケット写真もまた、アルバムのコンセプトを象徴する印象的な仕上がりです。エスニックな民族衣装を身にまとった尾崎亜美と子供の姿が写し出されており、現実と非現実が交錯する、どこか不思議な雰囲気を醸し出しています。

収録内容

アルバムには、シングルとしてリリースされた「21世紀のシンデレラ」とそのB面曲「CINEMATIC DOLL」、そして前年に非売品シングルとして制作された「キ・ラ・メ・キFeeling」が収録されています。中でも注目は、杏里に提供し大ヒットした「オリビアを聴きながら」のセルフカバーです。尾崎自身もかねてからこの曲を気に入っており、いつかセルフカバーしたいと考えていたそうで、レコード会社移籍という新たなスタートのタイミングで、挨拶代わりに歌うことにしたとのことです。

アルバム収録曲は、すべて尾崎亜美自身が作詞、作曲、編曲を手がけています。彼女の多彩な音楽性と才能が存分に発揮された作品と言えるでしょう。

リマスター盤

2013年10月16日には、リマスター盤HQCDが紙ジャケット（二つ折りのダブルジャケット）仕様でリリースされました。これにより、オリジナル音源の持つ魅力をさらに高めた、より高音質なサウンドを楽しむことができるようになりました。

スタッフ

アルバムの制作には、以下のスタッフが携わっています。

プロデューサー：尾崎亜美
ディレクター、アルバムコーディネート：渡辺有三
レコーディング・エンジニア：Katuya Kuroda, Makoto Tuneya
シンセサイザー・プログラミング：松武秀樹
デザイン：Ueda Design Family
写真：篠原邦博

『MERIDIAN-MELON』は、尾崎亜美の音楽世界を深く堪能できる、創造性あふれるアルバムです。自由な発想と、卓越した音楽センスが融合した本作は、多くの音楽ファンを魅了し続けています。

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