オリンピアード

オリンピアードについての解説

オリンピアード（Olympiad）とは、近代オリンピックにおける夏季オリンピックが行われる年から始まり、4年間の期間を指します。この4年間は、古代オリンピックに基づく暦法である「オリンピア紀元」に由来しています。オリンピア紀元は、紀元前776年の古代オリンピックから始まる年数の数え方で、古代ギリシアのオリンピアで第1回の大会が開催されたことに基づいています。

古代ギリシア人は、4年ごとに開催されるオリンピア祭（オリンピク）を基に、年を数える際にこのオリンピア紀元を扱いました。例えば、紀元前310年では「オリンピアード第117回、第3年」と表現されるなど、彼らの暦はこの期間に基づいていました。

近代オリンピアードの始まり

近代オリンピックは1896年にアテネで初めて開催され、その年を「第1次オリンピアード」の1年目として、新たなオリンピアードが開始されました。この新しい「近代オリンピアード」は、1月1日から始まり、4年目の12月31日に終了することが規定されています。このため、1896年の1月1日からオリンピアードのカウントが始まり、各オリンピアードの開始日は西暦の4で割り切れる年の1月1日です。

日本語では、4年間のオリンピアードについては「第1次オリンピアード」という表現が使われ、夏季オリンピックの正式名称は「第1回オリンピアード競技大会」となっています。このように、「次」と「回」を使い分けて呼称されます。

大会の中止や延期

オリンピック憲章では、オリンピアード競技大会は必ず1年目に開催されると規定されています。もしも大会の開催ができなかった場合、そのオリンピアードは中止となり、開催権も取り消されます。過去には3度の中止があり、これらの回次は欠番として扱われます。

特に注目すべきは、第32回オリンピアード競技大会（東京2020大会）です。新型コロナウイルスの影響で、2020年の開催が困難となり、2021年に延期されました。これはオリンピック史上初めての1年の延期であり、今後、オリンピック憲章に関連する条項の見直しが検討されています。

冬季オリンピック

さらに、冬季オリンピックも重要な位置づけをしています。冬季オリンピック（正式名称：「オリンピック冬季競技大会」）は、1924年から夏季オリンピックに連動して4年ごとに開催されており、大会の回数は欠番を作らず次の大会にスライドしています。1994年以降は、冬季オリンピックは夏季オリンピックの中間年に行われる形に変更されています。

古代と近代のズレ

最後に、古代オリンピアードと近代オリンピアードの間には1年のズレがあることも興味深い点です。古代オリンピアードは紀元前776年から始まるため、1897年には第669次古代オリンピアードが始まります。一方、近代オリンピアードは1896年から始まるため、両者の周期には1年のズレが生じます。このため、近代オリンピックの1年目と古代オリンピックの1年目には約1年6ヶ月の差が存在します。

このように、オリンピアードはその起源、開催方法、そして大会の歴史に至るまで、多くの興味深い要素に彩られており、オリンピックを支える重要な概念となっています。

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