オリンピックのロシア選手団

ロシアオリンピック選手団の歴史

ロシアのオリンピック選手団は、1900年に開催されたパリオリンピックから競技に参加を始めました。その後、1917年にロシア革命が起こり、ソビエト連邦が設立されると、オリンピックではソビエト連邦の代表として出場を続けました。ソビエト連邦が存続していた期間、ロシアはアメリカ合衆国と並ぶ強豪国として知られ、1970年代から1980年代にかけて多くのメダルを獲得しました。

しかし、1991年にソビエト連邦が崩壊すると、ロシアは新たな国家としてのオリンピックに参加することになりました。1992年のバルセロナオリンピックでは、EUN選手団として出場し、1994年のリレハンメルオリンピックからは新ロシア連邦の名で正式にオリンピックに復帰しました。

ドーピング問題の浮上

ところが、ソ連崩壊以降、ロシア選手団は成績が徐々に低下しました。特に2010年のバンクーバー冬季オリンピックでは、過去最低の成績を記録し、11位に終わりました。この時期に、ウラジーミル・プーチン大統領が再登板すると、冬季と夏季の両方の競技において、自国の選手に薬物を服用させるという組織的なドーピング問題が発覚しました。

2014年に開催されたソチ冬季オリンピックでは、ロシアが情報機関のメンバーをRUSADAに潜入させ、ドーピングを隠蔽していたことが明らかになりました。その結果、ロシア選手団は合計23個のメダル（うち金メダル13個）を獲得し、総合成績でも第1位となりましたが、2022年時点で11の金メダルが剥奪されました。

2014年12月に、ドイツのドキュメンタリー番組がロシアのオリンピックチームに関する内部告発を行いました。そこでは、選手の99%が禁止薬物を使用していることや、国が尿のサンプルを捏造していることが指摘され、以降、数多くのドーピングケースが浮上しました。特に女子フィギュアスケートにおいては、未成年選手に過剰な水分制限や成長抑制薬の服用を強制するなどの問題も発覚しました。2022年2月19日現在、ロシアはオリンピックにおけるドーピング摘発件数でトップに立っていますが、実際の数はさらに多いと推測されています。

最新のオリンピック参加形態

2018年平昌オリンピックでは、国家としての参加が認められず、「ロシア選手団」として出場することができませんでした。その代わり、選手たちは「ロシアからのオリンピック選手（OAR）」として参加することとなりました。この名義は、国際オリンピック委員会（IOC）の制裁に基づくもので、通常のロシア選手団とは別の扱いがされていました。

2020年の東京オリンピックおよび2022年の北京オリンピックでも、同様の理由から、ロシア選手は「ロシアオリンピック委員会（ROC）」名義で参加しています。これにより、ROCはロシアオリンピック委員会の英語表記の略称として位置付けられました。

メダル獲得数

ロシア選手団は夏季オリンピックで最も多くのメダルを獲得したのは2004年アテネオリンピックで、合計90個でした。また、冬季オリンピックでは2014年ソチオリンピックで30個を獲得しています。

このように、ロシアオリンピック選手団は豊かな歴史を持ちながら、ドーピング問題に関する多くの課題を抱えています。今後のオリンピック参加において、どのような成果が得られるのかが注目されています。

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