オリンピックの東西統一ドイツ選手団

東西統一ドイツ選手団とは

東西統一ドイツ選手団は、第二次世界大戦後の冷戦時代に東西に分断されていたドイツが、オリンピックに合同で選手団を派遣した際に用いられた名称です。1956年のコルチナ・ダンペッツオオリンピックから1964年の東京オリンピックまでの計3大会に参加しました。フランス語では「Équipe unifiée d'Allemagne」と呼ばれ、当時の日本では「統一ドイツ」または単に「ドイツ」と表記されていました。

使用された旗と国歌

1956年の時点では、東西ドイツは共通の国旗（現在のドイツ国旗と同じ）を使用していました。しかし、1959年に東ドイツが国旗を変更したため、1960年以降は黒・赤・金のドイツ国旗をベースに、中央に五輪マークを配した特別な旗が使用されました。表彰式で国歌が演奏される際には、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」が用いられました。

選手団の構成

東西統一ドイツ選手団は、合同で選手団を派遣したものの、選手やチームは必ずしも合同チームとして構成されていたわけではありません。個人種目では東西ドイツから選抜された選手が派遣されましたが、団体種目では東西ドイツのチーム同士が試合を行い、勝利したチームが派遣されるケースが多く見られました。そのため、団体種目においては「東西統一ドイツ」という名称ではあるものの、実際には東ドイツまたは西ドイツのどちらかのチームが代表として参加していました。

メダル獲得状況

東西統一ドイツ選手団が最も多くのメダルを獲得した夏季オリンピックは、1964年の東京オリンピックで、その数は50個に達しました。冬季オリンピックでは、1964年のインスブルックオリンピックで9個のメダルを獲得しています。競技別に見ると、夏季オリンピックでは陸上競技で30個、冬季オリンピックではリュージュとアルペンスキーでそれぞれ5個のメダルを獲得しています。

まとめ

東西統一ドイツ選手団は、東西分断という特殊な状況下で生まれた、オリンピック史における特異な存在です。選手選考やチーム編成の複雑さ、使用された特別な旗や国歌など、多くの側面から当時の東西ドイツの状況を物語っています。

参考情報

国際オリンピック委員会
Unified Team of Germany- Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)

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