オリンピック競技

オリンピック競技の概要

オリンピック競技とは、近代オリンピックで実施されるスポーツや競技の総称です。2020年7月の時点で、オリンピックプログラムには、合計35の競技と400以上の種目が含まれています。これらの競技は、夏季オリンピックに28競技、冬季オリンピックに7競技が採用されています。

オリンピック憲章によって、これらの競技は国際競技連盟（IF）に管理されています。一つのIFは通常、一つの競技を統轄していますが、特定の競技が複数の種別に分かれていることもあります。たとえば、水泳の競技は競泳、水球、飛込、アーティスティックスイミング、マラソンスイミングといった多様な種別に分類されています。また、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟のように、一つの国内競技連盟が複数の競技を監督する場合もあります。

過去には、ポロや綱引きなど、オリンピック競技として認められていた競技の中に、現在は採用されていないものも存在します。初期のオリンピック大会ではアーチェリーやテニスが採用されるなどしていたが、一度は中断し、その後再びオリンピック競技として復活を果たしました。特に、アーチェリーは1972年のミュンヘンオリンピックで復活し、テニスは1992年のバルセロナオリンピックから正式競技に戻っています。

1912年のストックホルムオリンピックでは、彫刻や詩、絵画、音楽などの芸術競技も行われていましたが、採点の難しさなどの理由から1956年からは展示のみとなりました。

オリンピック競技としての採用基準

オリンピック競技の採用は、国際オリンピック委員会（IOC）の総会で決定されます。競技の採用基準は、オリンピック憲章に記されています。具体的には、夏季オリンピックの競技は男子では4大陸75カ国以上、女子では3大陸40カ国以上で実施されていることが求められます。冬季オリンピックでは、3大陸25カ国以上で広く実施される競技のみが対象となります。

この基準を満たしていないにもかかわらず、2005年のIOC総会ではラグビー、ゴルフ、空手、スカッシュ、ローラースポーツといった競技の採用が検討されましたが、結果的に実現しませんでした。また、野球は2020年東京オリンピックに向けて正式競技に復帰したものの、メジャーリーグとの調整の難しさや普及度のばらつきが問題視されています。

IOCは、オリンピック競技に関して様々な要素を考慮します。具体的には、競技がどれほどの普及度を持っているか、またその競技を統括する団体の意欲や支配力も重要視されています。このため、情勢によっては競技が予期せぬ形で除外されることもあります。

伝統と実施の実態

オリンピック競技としての伝統のある競技の中には、特にフェンシングや近代五種、馬術といったものがあります。これらの競技は、何らかの条件によって一時的に除外された場合でも、オリンピックの伝統を尊重し続けて継続されることがあります。

スノーボードやスケートボードなどの新しさを追求する競技も、既存のIFが新たに始めたことでオリンピック競技に昇格した例もあるため、今後の競技採用には十分な注意が必要です。

結論

オリンピック競技は長い歴史と伝統に裏打ちされており、体育の発展において重要な役割を果たしています。競技は社会の変化や国際的な情勢に影響されることがありますが、オリンピック精神を根底に、これからも多様な競技が採用されることでしょう。

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