オルガスム (Xの曲)

X JAPANの初期シングル「オルガスム」に関する詳細

「オルガスム」は、日本のロック・バンドであるX（現在のX JAPAN）が1986年4月10日にリリースした2枚目のシングルです。この曲は、エクスタシーレコードから発売された初の楽曲であり、YOSHIKIが設立した同レーベルの第1弾商品となります。もともとインディーズ時代に自主制作されたEPであり、バンドの音楽性を広く知らしめる重要な役割を果たしました。

このシングルを世に出すために、YOSHIKIはエクスタシーレコードを立ち上げ、通販やライブハウス、さらには直接交渉したレコード店で販売を行いました。初回プレスでは2500枚がすぐに売り切れ、その後再プレスが計画されましたが、レコーディングに参加していたギタリストJUNとベーシストHIKARUが脱退したため、再プレスは実現しませんでした。

当時のキャッチコピーは「このスピードに着いて来れるか!?」や「はっきり言ってこのEPは爆発的に売れてます!!」といったもので、バンドの勢いと自信を表していました。リリース当初、メンバーはYOSHIKI（ドラムス）、TOSHI（ボーカル）、JUN（ギター）、HIKARU（ベース、ジャケットには「HIKALU」と表記）で構成されており、この作品ではTOSHIの高音が特徴的に録音されています。

「オルガスム」というタイトルは仮名表記ですが、後にライブ・アルバムなどでは「Orgasm」と表記されることもあります。また、歌詞カードにはユニークなデザインとしてコンドームが描かれており、その大胆さが当時のファンの話題を呼びました。ライブパフォーマンスではタムタムを使用することもあり、視覚的な楽しさを演出しています。

メディアの反応も興味深いもので、ヘヴィメタル専門誌『BURRN!』では厳しい評価が下され、それに対するYOSHIKIの抗議も話題となりました。当時の編集部員はその後、フリーライターとして活動する増田勇一氏であり、彼が書いた別のバンドのレビューがYOSHIKIの心を動かしたとされています。しかし、この評価を巡る騒動は最終的に和解に至り、YOSHIKIは増田氏をアルバムのクレジットに掲載するなど友好的な関係を築いていきました。

また、1990年代には日本テレビ系のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』に出演し、新装開店した「やしろ食堂」で演奏するパフォーマンスを行いました。この時、メンバーは演奏中に大騒ぎし、TOSHIが誤って店を破壊するというハプニングもありました。このライブはHIDEにとってX加入後初めての仕事だったことも特筆すべきエピソードです。

「オルガスム」の収録内容は以下の通りです：

SIDE-A

• - オルガスム - 3:02

（作詞・作曲:YOSHIKI、編曲:X）
この曲はメジャーデビュー・アルバム『BLUE BLOOD』にも収録されていますが、本作では歌詞やギターソロがわずかに異なり、性描写がより明確に表現されています。終盤では突然の爆発音と共に楽曲が終了します。

• - Time Trip Loving - 3:44

（作詞:TOSHI、作曲:JUN、編曲:X）
JUNが作曲を担当した数少ない楽曲の一つで、ライブでは追加の歌詞が加えられます。

SIDE-B

• - X - 5:37

（作詞・作曲:YOSHIKI、編曲:X）
この曲も『BLUE BLOOD』に含まれていますが、歌詞はわずかに異なり、ギターソロやアウトロに大きな違いがあります。

レコーディングは倉持宏が担当したことでも知られており、音楽的な質の高さが評価されています。25年以上が経過した今でも、オルガスムはX JAPANの歴史の中で重要な位置を占めている楽曲であり続けています。

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