オルドゥ県

オルドゥ県は、トルコ北部の黒海地方に位置し、黒海に面した県です。東から時計回りにギレスン、スィバス、トカット、サムスンの各県と接しており、オルドゥ大都市自治体と同一の範囲を管轄しています。

県名の「オルドゥ」はトルコ語で「軍」を意味しますが、この地名はギリシャ時代のものに由来し、軍事とは直接的な関連はありません。興味深いことに、この言葉は近代英語では「群集」を意味する単語としても使われるようになりました。

地理と産業

オルドゥ県は黒海沿岸に位置し、海岸線と山々に挟まれた地形が特徴です。歴史的に農業と漁業が盛んでしたが、近年では観光業が急速に発展しています。特にロシアやジョージアからの観光客が多く、美しい海岸、河川、山岳風景が観光の目玉となっています。トルコ国内からの旅行者には、ハイキングコースが人気です。

県内ではヘーゼルナッツの栽培が非常に盛んで、トルコが世界生産量の約70%を占める中、その半分以上がオルドゥ県で生産されています。しかし、近年では養蜂コストの増加により、ヘーゼルナッツ栽培の収益性が低下しているという課題も抱えています。高地地域は森林に覆われ、豊かな自然が保たれています。

また、この地域はジョージア出身の少数民族の故郷でもあります。近年では、この地域からの人口流出が進んでおり、日本に在住するトルコ国籍者の中には、特にファトサ出身者が多いという特徴があります。

自治体

オルドゥ県には、以下の19の自治体があります。

アックシュ（Akkuş）
アルトゥノルドゥ（Altınordu）
アイバストゥ（Aybastı）
チャマシュ（Çamaş）
チャタルプナル（Çatalpınar）
チャイバシュ（Çaybaşı）
ファトサ（Fatsa）
ギョルキョイ（Gölköy）
ギュルヤル（Gülyalı）
ギュルゲンテペ（Gürgentepe）
イキズジェ（İkizce）
カバデュズ（Kabadüz）
カバタシュ（Kabataş）
コルガン（Korgan）
クムル（Kumru）
メスディイェ（Mesudiye）
ペルシェンベ（Perşembe）
ウルベイ（Ulubey）
* ユンイェ（Ünye）

観光名所

オルドゥ県には、清潔で美しい広々とした海岸線が広がっています。オルドゥ市内では、ロシア語によるバザールが開かれることもあります。市街地を見下ろす丘の上には「Boztepe」という小さな町があり、標高3107mの地点には「Karagöl」と呼ばれる美しいクレーター湖が存在します。これらの自然の美しさは、オルドゥ県の観光における大きな魅力となっています。

オルドゥ県は、歴史、文化、自然が融合した魅力的な地域です。豊かな自然の中で育まれた産業と、多様な文化が共存するこの地は、訪れる人々にとって忘れられない体験となるでしょう。

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