大都市自治体

トルコの大都市自治体について

トルコには81の県が存在し、そのうち30の県は大都市自治体（トルコ語: büyükşehir belediyeleri）に指定されています。大都市自治体は、広域行政を担う特別な自治体であり、県の下位に位置する区自治体（トルコ語: ilçe belediyesi）と同格です。一般の県には市自治体や町自治体が存在しますが、大都市自治体ではこれらは区自治体として扱われます。

大都市自治体の周辺部には、以前は准区自治体（トルコ語: altı kademe belediyesi）も設置可能でしたが、現在では県全体が大都市自治体に指定されているため、設置されていません。

県との違い

県と大都市自治体の最も大きな違いは、首長の選出方法です。県知事は内務省から任命される官僚であるのに対し、大都市自治体の首長は公選で選ばれます。また、県都の市名は県名と必ず一致しますが、大都市自治体に指定されている県では、県庁所在地の区自治体名を別の名前に変更することが可能です。

歴史

最初の大都市自治体は1984年に設立されました。当時の対象都市は、イスタンブール、アンカラ、イズミルの3つでした。その後、1986年にアダナ、1987年にブルサ、ガズィアンテプ、コンヤ、1988年にカイセリが追加され、合計8市となりました。

1993年には、アンタルヤ、ディヤルバクル、エルズルム、エスキシェヒル、イズミット、メルスィン、サムスンの7市が新たに大都市自治体として指定されました。2000年にはサカリヤも加わり、合計16市となっています。

2004年以前は、人口75万人以上の都市部のみが大都市自治体の指定対象でしたが、2004年の制度改正により、都市の人口規模に応じた指定範囲の拡大が行われました。この結果、イスタンブル県とコジャエリ県の全域が大都市自治体となり、大都市自治体の範囲が県境と重なるようになりました。

2012年には、人口75万人を超えるすべての県、およびすでに大都市自治体を有する県が一気に大都市自治体に昇格しました。これにより大都市自治体の数は29市に急増しました。新規指定された県は、アイドゥン県、バルケスィル県、デニズリ県、ハタイ県、マラティヤ県、マニサ県、カフラマンマラシュ県、マルディン県、ムーラ県、テキルダー県、トラブゾン県、シャンルウルファ県、ヴァン県の13県です。拡大指定された県は、アダナ県、アンカラ県、アンタルヤ県、ブルサ県、ディヤルバクル県、エスキシェヒル県、エルズルム県、ガズィアンテプ県、イズミル県、カイセリ県、コンヤ県、メルスィン県、サカリヤ県、サムスン県の14県です。ただし、行政区画としての県は廃止されておらず、警察部局などは県の管轄範囲のままです。

2013年にはオルドゥ県が加わり、現在の大都市自治体の総数は30となっています。

大都市自治体の一覧

(大都市自治体のリストは、記事が長くなるため割愛します)

関連事項

大都市自治体制度は、日本の政令指定都市や都市州、イタリアのCittà metropolitana、韓国の特別市や直轄市、中国の広域市など、他国の類似制度と比較検討することができます。これらの制度は、都市の広域的な行政課題に対応し、効率的な都市運営を目指す点で共通しています。

脚注

(脚注については、記事内に情報が少ないため割愛します)

出典

(出典については、記事内に情報が少ないため割愛します)

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