オロデス1世

オロデス1世（Orodes I）は、紀元前80年から紀元前76年または75年頃まで、アルサケス朝パルティア王国を統治した王です。彼の治世は短期間であり、その生涯については断片的な情報しか残されていません。

生涯

オロデス1世の名前が歴史に登場するのは、紀元前80年のバビロニアで発見された粘土板です。この粘土板の記録を境に、それまでパルティア王であったゴタルゼス1世の名前が記録から姿を消します。このことから、オロデス1世はゴタルゼス1世との間で王位を巡る争いがあった末に王位を奪取したと考えられています。

しかし、オロデス1世の治世は長くは続きませんでした。紀元前76年または75年の粘土板には、アルシャカンという王の名前が記されています。このアルシャカンは、一般的にシナトルケスと同一人物であると考えられています。また、粘土板には彼の姉妹であり妻でもあったイスブバルザという王妃の名前も記録されています。

これらの記録から、オロデス1世は短期間の統治の後、シナトルケスに王位を奪われたか、または何らかの理由で王位を譲ったと考えられます。彼の治世に関する詳細な情報は不足しており、今後の研究によって新たな発見が期待されています。

まとめ

オロデス1世は、パルティア王国の歴史において、短いながらも重要な役割を果たした王の一人です。ゴタルゼス1世との争い、そしてシナトルケスへの王位交代という、激動の時代を生きた彼の生涯は、パルティア王国の複雑な権力構造を物語っています。

参考文献

* ニールソン・C・デベボイス（訳：小玉新次郎、伊吹寛子）『パルティアの歴史』（山川出版社、1993年、ISBN 4634658607）

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