オロペサ型係維掃海具

オロペサ型係維掃海具

オロペサ型係維掃海具は、掃海具の一種であり、イギリス海軍によって第一次世界大戦中に開発されたものです。現在でも海上自衛隊などで使用されており、係維機雷に対する掃海手段の代表とされています。一般的には「O型掃海具」とも呼ばれています。

歴史的背景

機雷戦が注目されたのは日露戦争の際でした。旅順口攻撃では、旧日本海軍とロシア海軍双方が係維式触発機雷を使用し、その啓開が必要となりました。この時、駆逐艦が掃海索を曳航して機雷を移動させたり、切断して無力化する手法が確立されました。これにより、専用の掃海艇を必要とせず、掃海作業が行われました。

第一次大戦では、連合国と中央同盟国の両陣営が機雷戦を展開し、より優れた掃海手段が求められました。このニーズに応じて、英海軍は掃海艇用としてオロペサ型掃海具を開発しました。これにより、機雷戦の戦術が進化し、機械的な掃海手段が確立されたのです。

構造の特徴

オロペサ型掃海具の基本的な仕組みは、漁によく使われるトロール船の漁具から得られています。実際、オロペサという名称は、開発に携わったイギリスのトロール漁船に由来しています。この掃海具は、掃海索や切断器、展開器、浮標などから構成されており、それぞれの部品が連携して機能します。

主な構成要素

• - 揚収装置
• - 掃海索（ワイヤー）
• - 沈降器（デプレッサー）
• - 切断器（カッター）
• - 展開器（オッターボード）
• - 掃海浮標（フロート）

掃海索は掃海艇の船尾から展開され、沈降器によって一定の深度まで沈下されます。掃海索の末端部には展開器と掃海浮標が取り付けられており、これが水流によって揚力を発生させて索を広げる役割を果たします。特に展開器は水中の凧のような役割を担い、掃海索を左右に展開させ、効果的に機雷を処理します。

バリエーション

掃海具に使用される各部品には異なるサイズや能力があり、特に日本の海上自衛隊では、係維掃海具の他にも音響掃海具や磁気掃海具の曳航にも利用されるなど、多用途性を持っています。掃海浮標は以前は金属製でしたが、現在は軽くて耐久性のあるFRP製に変わっています。

配備と現在の状況

オロペサ型掃海具の公式配備は1919年に始まり、それ以来広く利用されています。現代では、この掃海具に基づいたシステムがほとんどの係維掃海具に導入され、海上自衛隊では67式通常掃海具として現役で使用されています。

一方で、より深い海域に敷設された機雷に関しては、この方式では対処が難しいため、異なる技術を用いた掃海具が開発されています。技術の進化は続いており、今後もオロペサ型掃海具のような歴史的意義を持つ装備が現代の海洋作戦において重要な役割を果たすことでしょう。

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