オンライン・エティモロジー・ディクショナリー

オンライン・エティモロジー・ディクショナリー

オンライン・エティモロジー・ディクショナリー（英語名：Online Etymology Dictionary）、一般的にはエティモンライン（Etymonline）という略称で知られるこのウェブサイトは、英語の単語一つ一つの語源を探求することに特化した、オンライン形式の辞典です。

概要

この辞典は、英語の単語がどのように生まれ、時代と共にどのように意味や形を変えてきたのかを詳細に解説しています。収録されている単語は、日常的に使われる一般的な言葉から、スラング、さらには特定の専門分野で使用される用語に至るまで、幅広い範囲をカバーしています。

学術的な分野でも評価されており、2024年現在のGoogle Scholarにおける被引用数は1881回に上ります。この辞典の信頼性を支える主な出典としては、ウィークリーの著書『現代英語語源辞典』、クレインによる『英言語総合語源辞典』、そして権威ある『オックスフォード英語辞典』の第2版などが挙げられます。

創設と経緯

オンライン・エティモロジー・ディクショナリーは、ペンシルベニア州に住むダグラス・ハーパー氏によって創設されました。歴史学の学士号を持ち、歴史家や編集者としての経歴を持つハーパー氏は、英単語の語源とその発展の過程を永続的に保存することを目的として、このプロジェクトを開始しました。

彼がこのオンライン辞典の開設に至った背景には、明確な動機がありました。ハーパー氏は自らが「無料で、包括的で、信頼できるオンライン上の語源辞典」を探し求めたものの、当時のインターネット上にはそのような満足できるリソースが存在しなかったと述べています。この経験から、「それならば自分で作ろう」と考え、約3万語の単語を収録した語源辞典サイトの構築に着手しました。

ハーパー氏の個人的な探求心と、広く利用できる信頼性の高い語源情報リソースの必要性が結びつき、オンライン・エティモロジー・ディクショナリーは誕生したのです。

内容と特徴

この辞典の最大の特徴は、単語の現在の意味だけでなく、その単語が歴史上のどの時点で、どのような言語から派生し、どのような変遷を経てきたのかを丁寧に追跡している点にあります。それぞれの単語のエントリーは、語源に関する専門的な知識を持たない利用者にも理解しやすいように記述されており、英語学習者から研究者まで、幅広い層にとって有用なツールとなっています。

約3万語という収録語数は、オンラインで手軽にアクセスできる語源辞典としては非常に網羅性が高いと言えます。これにより、普段あまり語源を意識しないような言葉についても、その意外な成り立ちを知ることができる機会を提供しています。

ダグラス・ハーパー氏が一人で立ち上げ、編纂を続けているこの辞典は、営利目的ではないプロジェクトとして、多くのインターネットユーザーに無料で公開されています。これは、ハーパー氏が当初目指した「無料であること」という条件を満たしており、誰もが気軽に英単語の深い歴史に触れることができる環境を実現しています。

外部リンク

オンライン・エティモロジー・ディクショナリーに関する詳細な情報や、実際の辞典機能を利用するには、公式サイトを訪れるのが最も直接的な方法です。また、日本の研究情報ポータルであるCiNii Researchにも、この辞典のデータが登録されており、そちらから関連情報を参照することも可能です。

もう一度検索