オックスフォード英語辞典

オックスフォード英語辞典（Oxford English Dictionary, OED）

オックスフォード英語辞典は、オックスフォード大学出版局が発行する著名な英語辞典で、英語の様々な用法を記述しつつ、その歴史的背景を探ることに特化しています。

辞書の概要

2015年の最新にあたる第2版では、20巻から成り、合計で約21,730ページにわたります。この辞典は291,500の見出し語を持つほか、定義が付与された小見出し語やその他の項目を加えると615,100項目に達します。発音記号が記されている項目は139,900、語源については219,800、用例引用数はなんと2,436,600にのぼることが数値で示されています。この辞典は、ボランティアの協力により、様々な用法や意味が集められ、多くの知識が蓄積された成果となっています。

歴史的な背景

オックスフォード英語辞典の編纂は1857年に始まり、1884年には分冊版が発行開始、1895年には非公式の合冊版が出版されました。1928年には全10巻の完全版が再発行され、以後も増刷や補遺が行われています。1988年には初の電子版も登場し、同年にはオンライン版が公開され、かなりのアクセスがありました。これらの発展は、語彙がどのように変化してきたのかを追跡する役目も果たしています。

辞書の特長

OEDは単に現在の英語の用法を示すだけでなく、各単語の歴史的発展についても考察をしています。たとえば、ある単語がどのようにして使われ始めたのか、どの時代にどのように変化してきたのかを示すことで、読み手にその単語の持つ深い意味を提供します。各定義は短い用例と共に示され、言葉の使用頻度や文脈がどのように変わってきたのかを実感できる貴重な資料となっています。

辞書の規模

OEDの膨大な情報量は驚くべきもので、解説本文を含めると約5900万語に達する一方で、手入力作業だけでも120年近くかかるとされています。さらに、540メガバイトのデータ容量が必要であることも示されています。OEDは、語彙の最も包括的な記述がなされている辞典であり、さまざまな文献から収集した証拠によって引き立っている点が特長的です。特に、動詞「set」の項目は、430の意味を解説するのに60,000語が費やされています。

他の辞書との関係

OEDの発展により、多くの派生辞書が生まれました。1902年に始まり1933年に完成した『The Shorter Oxford English Dictionary』は、OEDを基にした簡約版であり、現代英語の用法に焦点を当てています。また、『The Concise Oxford Dictionary』は、OED第1版が元となっており、現代英語を扱う一方、歴史的なコンテクストを用いません。近年では、コーパス言語学を活用した新たな辞典も登場し、OEDの地位は確かなものとなっています。

綴りの扱い

OEDは、英国式の綴りに基づいていることも重要なポイントです。例えば、'labour'や'centre'といった綴りが使われ、接尾辞においても'-ize'を原則としています。これは語源に基づくものであり、言語の変遷を探る上でのガイドラインともなっています。OEDは、英語の学問的理解を深める一助として、今日も多くの研究者や愛好者に利用されています。

このように、オックスフォード英語辞典は、単なる語彙の集まりではなく、言語の歴史や文化、そして変遷を考察するための貴重なリソースであると言えるでしょう。

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