オンワードボルガ

オンワードボルガ: 日本の障害競走馬

オンワードボルガは、日本の競走馬として特に障害競走においてその名を知られる存在です。彼は1985年に東京障害特別（秋）と中山大障害（秋）を制し、同年の優駿賞で最優秀障害馬に選ばれました。その背景には、勝利だけでなく、彼の血統や戦歴における数々のエピソードがあります。

血統の魅力

オンワードボルガは、競走馬としての素質だけでなく、その血統にも注目が集まります。3代母はミスオンワードで、さらに甥にはオンワードメテオがいます。オンワードメテオは東京ハイジャンプや新潟ジャンプステークスを制するなど、オンワードボルガと同様に障害競走の舞台で活躍しました。これらの血統が、彼の持つ特別な競走能力に寄与していることは、競馬ファンにとって興味深いポイントです。

戦歴の詳細

オンワードボルガは、1983年12月4日にダート1200mの新馬戦でデビューしますが、7着に終わります。その後、連闘で芝マイル戦に挑み初勝利を収めます。彼は芝やダートの中長距離戦にも出走しましたが、最高でも3着にとどまります。1985年1月以降は障害競走に転向し、そこでの活躍が始まります。

すべての障害競走で田中剛騎手が手綱を取ったオンワードボルガは、東京競馬場の障害未勝利戦で初勝利を挙げます。その後、昇級後の3戦は8着、4着、落馬競走中止と厳しい結果が続きましたが、ここから状況は一変します。400万条件とオープンを勝利し、特に6月に行われた障害オープンでは前年の最優秀障害馬であるメジロアンタレスを3馬身差で抑える圧巻の勝利を収め、さらに3連勝を達成します。

秋シーズンに突入すると、彼は9月から始動します。障害オープンの2戦では3着と2着を記録し、勢いを増して東京障害特別（秋）に出走。このレースではベルレンケルと共に注目を集め、2番人気に押されました。このレースでベルレンケルが転倒した際、オープンの中団に位置していたオンワードボルガは、そのチャンスを活かして先頭に立ちました。そして、メジロアンタレスを3馬身差で振り切って重賞初勝利を手にします。

続く中山競馬場の障害オープンでも初勝利を挙げ、迎えた中山大障害（秋）では1番人気に支持されます。レースでは徐々に進出し、直線に入ると先頭に立っていたノースリーガルを捕らえ、ゴールでは3馬身差で優勝。これにより、彼はこの年の最優秀障害馬に選ばれる栄光を手にしました。

1986年も活躍を続け、中山の障害勝入で勝利し、中山大障害にも出走しましたが、出走後はライバコウハクに敗れ8馬身差の2着となり、連勝は4でストップします。また、その後の障害オープン戦での成績は素晴らしく、5戦中3連勝と2着2回を記録し、11連続連対を達成します。

最期の競走

しかし1986年の中山大障害（秋）では、再びライバコウハクと競り合いながら挑みますが、水濠障害で後肢を落とし、最終的に右上腕骨を骨折するという不幸な結果に終わります。これにより競走を中止し、予後不良と診断されました。

オンワードボルガの競走歴はまさに波乱万丈なものであり、数々の勇気ある戦いを通じて日本の競馬界に名を刻んだ名馬として、今もなおその記憶を留めています。

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