オーエス オーエス

矢野顕子の7枚目のスタジオ・アルバム『オーエス オーエス』は、1984年6月25日に徳間ジャパンより発売されました。本作は、東京とロサンゼルスという二つの異なる場所で録音が行われ、そのサウンドは国際色豊かなものとなっています。

レコーディングには、ウィリー・ウィークス（ベース）、カルロス・ヴェガ（ドラムス）といったアメリカ人ミュージシャンが起用され、その演奏がアルバムに独特のグルーヴ感を与えています。さらに、坂本龍一が共同プロデュースとシンセサイザーを担当し、音楽的な奥行きを加えています。また、散開後のイエロー・マジック・オーケストラのメンバーである細野晴臣、高橋幸宏も参加しており、当時の音楽シーンを代表する才能が集結した作品と言えるでしょう。

ジャケット写真は、写真家の篠山紀信が手掛けています。矢野顕子自身が「葬式用」と語るこの写真は、アルバムの持つ独特な世界観を象徴しているかのようです。

アルバム収録曲は、以下の通りです。

1. おもちゃのチャチャチャ
2. HI,HI,HI
3. きょうのわたくし
4. HIGHLAND
5. SIMON SMITH AND THE AMAZING DANCING BEAR
6. ラーメンたべたい
7. 素顔
8. 終りの季節
9. GREENFIELDS
10. ASSEMBLY (Instrumental)

このうち、「SIMON SMITH AND THE AMAZING DANCING BEAR」は、ハーパース・ビザールのカバー曲です。また、「終りの季節」は細野晴臣のカバーで、矢野顕子は後に自身のユニット、yanokamiでも再度カバーしています。「素顔」は、井坂洋子の詩集『Gigi 詩集』に収録された詩に、矢野顕子が曲をつけたものです。

アルバム発売と並行して行われた「オーエス オーエスツアー」の模様は、ビデオ『yano akiko 1984 オーエス オーエス Live』として発売されました。このライブには、坂本龍一（key）、高橋幸宏（ds）、大村憲司（g）、吉川忠英（g）、浜口茂外也（per.）といった豪華メンバーが参加し、舞台美術は立花ハジメが担当しました。

このライブビデオは、1984年にやのミュージックから発売され、その後、2005年にファイブ・エース（販売・ポニーキャニオン）からDVDで再発売されました。さらに、2012年にはソニー・ミュージック・ダイレクトからボックス・セット「1980's 矢野顕子ライブ」の一枚として、Blu-ray Discで再発売されています。

ライブビデオの収録曲は、以下の通りです。

1. 愛がなくちゃね
2. Hi, Hi, Hi
3. おもちゃのチャチャチャ
4. みちでバッタリ
5. I sing
6. What's Got In Your Eyes?
7. 小さい秋みつけた
8. GREENFIELDS
9. ラーメンたべたい
10. ひとつだけ
11. どんなときもどんなときもどんなときも
12. ASSEMBLY

『オーエス オーエス』は、矢野顕子の音楽キャリアの中でも重要な作品の一つであり、その多才な音楽性と実験精神が詰まったアルバムと言えるでしょう。

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