オーガスタ (原子力潜水艦)

USS Augusta (SSN-710)

USS Augustaは、アメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦の23番艦です。この艦はメイン州の州都に由来して名付けられたもので、艦名は過去に存在したノーザンプトン級重巡洋艦以来の伝統を引き継いでいます。船名に関しては、最初の3隻がジョージア州のオーガスタに基づいて命名されたことが特徴的です。

建造と就役

オーガスタの建造は1973年10月31日に、コネチカット州グロトンにあるジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート社によって発注されました。1982年4月1日に起工し、1984年1月21日にダイアナ・D・コーエン夫人によって命名、進水しました。この艦は1985年1月19日に艦長トーマス・W・ターナー中佐の指揮のもと、正式に就役しました。

重要な出来事

1986年10月3日には、オーガスタがソ連海軍のヤンキー級原子力潜水艦K-219と衝突したとされる事件がありました。この件については、アメリカ海軍はK-219が内部爆発で沈没したと主張しており、情報が一方的な形で交錯しています。後日、K-219の沈没を受けてオーガスタは哨戒任務を終えて帰路に就く際に何かと衝突し、グロトンに修理のため戻る事態となりました。

この事故では艦首やソナーアレイが損傷し、修理には約300万ドルがかかると見積もられました。オーガスタが衝突した対象については公式には定かではありませんが、デルタ級原子力潜水艦を追跡している最中に何らかの衝突が起きていた可能性が示唆されています。特に、急な方向転換があった際にはデルタ級との接触が考えられ、実際に浮上したつぶれているデルタ級の写真からも、ソ連側はK-279と認めている事実があります。

技術的発展

1987年7月にはオーガスタの補修が完了し、新たにBQG-5D広角口径配列パッシブソナーおよびBQQ-10 ARCIソナーのプロトタイプが搭載され、試験が実施されました。これらのソナーはコンピューターコンポーネントのモジュール化により、容易に改良できるような設計がなされています。

退役

オーガスタは2009年2月11日に退役しました。この艦の長い運用を経て、アメリカ海軍における原子力潜水艦技術の発展への貢献は評価されています。現在、USS Augustaの存在は過去の艦艇の一つとして歴史に名を刻んでいます。彼女の艦歴は、冷戦時代の緊張感や技術的な進展を物語る貴重な記録となっています。

この艦船の艦歴は、アメリカ海軍の艦艇に加えられた多くの重要な側面を示しており、海軍の進化や潜水艦戦術における重要なマイルストーンとして位置づけられています。

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