オーガスト・カール・ライシャワー

オーガスト・カール・ライシャワー（August Karl Reischauer, 1879年9月4日 - 1971年7月10日）は、アメリカ合衆国出身の宣教師であり、教育者です。駐日アメリカ合衆国大使を務めたエドウィン・O・ライシャワーは彼の次男にあたります。

ライシャワーは、1879年にイリノイ州で生まれました。1848年にオーストリアからアメリカに移住した一家の出身です。1898年にハノーヴァー・カレッジに入学し、1902年に卒業しました。その後、マコーミック神学校で神学を学び、1905年に卒業。按手礼を受け、ヘレンと結婚後、宣教師として日本へ渡りました。

日本での活動は、1907年に長男ロバートが、1910年には次男エドウィンが誕生。1912年にはアメリカに一時帰国し、シカゴ大学で研究に励みました。翌年にはニューヨーク大学で「日本における仏教研究」というテーマで講演を行い、学位を取得しました。1914年に再び日本に戻り、長女フェリシアが誕生。彼女の治療のために一時帰国しましたが、その年のうちに日本に戻っています。

1917年、妻ヘレンはフェリシアを連れてアメリカへ帰国。一方、ライシャワーは明治学院高等部長として1919年まで2年間務めました。1918年には東京女子大学設立に尽力し、代表に就任。1919年、ヘレンはフェリシアをアメリカに残し、再び来日しました。

1919年、ライシャワーは明治学院高等部長から明治学院神学部教授に転じ、1928年までその職を務めました。1920年から1927年までは女子学院の院長も兼任しました。また、1920年4月28日には日本聾話学校を設立し、妻のヘレンが初代校長となりました。

1937年、上海に滞在していた長男ロバートが、北支事変で中国国民党軍の攻撃に巻き込まれ亡くなるという悲劇に見舞われました。1941年、日米開戦と共に一家はアメリカに帰国。1952年までユニオン神学校で宗教史を教鞭をとりました。1954年、日本から在米中のライシャワーに勲三等瑞宝章が贈られました。1956年には妻のヘレンがマサチューセッツ州ベルモントで亡くなっています。1961年、ライシャワーは次男エドウィン夫妻と共に19年ぶりに日本を訪れました。1971年7月10日に生涯を閉じました。

その他、明治後期に長野県軽井沢に建てた別荘は現在も残っており、2013年に国の登録有形文化財に登録されています。

ライシャワーは、日本におけるキリスト教の発展に大きく貢献しただけでなく、教育者としても多くの功績を残しました。彼の活動は、日米関係においても重要な役割を果たしました。

参考文献

• - 畑昭夫 『カール・ライシャワー』 教会新報社
• - 『日本キリスト教歴史大事典』 教文館、1988年

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