オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク

オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク（OMD）は、1975年にイギリス・リヴァプールで結成されたシンセポップデュオであり、アンディ・マクラスキーとポール・ハンフリーズの二人から成ります。彼らは、ドイツのエレクトロニック音楽グループ、クラフトワークに強い影響を受けており、そのスタイルは新興のニュー・ウェイヴシーンにおいて特異な存在感を放っていました。OMDの名前の由来は、彼らが初めて作曲した楽曲「Orchestral Manoeuvres in the Dark」に由来し、このタイトルからインスピレーションを受けてバンド名を決定しました。

彼らはファクトリー・レコードから1979年にデビューし、その後すぐに注目の的となります。特に、1980年にリリースされた「エノラ・ゲイの悲劇」はヒットし、日本のテレビ番組『CNNデイウォッチ』のテーマ曲にも採用されました。続くシングル「オルレアンの少女」も成功を収め、OMDの名声は広まる一方でした。

1985年にはアメリカでの活動も本格化し、「シークレット」や「ソー・イン・ラヴ」といった楽曲が全米チャートにもランクインします。特に、1986年の「イフ・ユー・リーヴ」は全米シングルチャートのトップ10に入り、彼らの人気を確固たるものにしました。さらに、彼らは成功したスタジオアルバム『クラッシュ』と『ザ・パシフィック・エイジ』をリリースし、これらはプラチナムアルバムとなります。OMDは、この頃にワールドツアーを行い、日本にも何度か訪れました。

しかし、1988年にリリースされたベスト盤『ドリーミング』を機に、彼らの活動は一時的に休止となりますが、新曲「ドリーミング」は依然としてヒットを記録しました。1993年には「Dream Of Me」が英国内で成功を収め、その後1996年にアルバム『ユニヴァーサル』を発表して活動を再開します。その後の間にさらなるアルバムをリリースしながらも、再び長いブランクが訪れました。

2010年に14年ぶりに復帰し、アルバム『ヒストリー・オブ・モダーン』をリリースし、かつてのファンの前に戻りました。OMDは、クラフトワークからの影響を強く受けており、その音楽スタイルはポップフォーマットでありながら、実験的な要素も多く含まれています。

彼らの音楽の中には、ライブパフォーマンスでカバーされた「Neon Lights」をはじめ、さまざまなジャンルを取り入れた作品が見受けられます。また、2008年に発表されたライブアルバムには、グレゴリアンによる「Joan of Arc」のアレンジが収録されており、テレビ番組『オーラの泉』で使用されたことで知られています。

ディスコグラフィ

OMDは数多くのアルバムをリリースしており、スタジオアルバムには以下のような作品があります：

- 『エレクトロニック・ファンタジー』 (1980年)
- 『安息の館』(Architecture & Morality, 1981年)
- 『ダズル・シップス』(Dazzle Ships, 1983年)
- 『クラッシュ』(Crush, 1985年)
- 『ザ・パシフィック・エイジ』(The Pacific Age, 1986年)
- 『ユニヴァーサル』(Universal, 1996年)
- 『ヒストリー・オブ・モダーン』(History of Modern, 2010年)

OMDはそのキャリアを通じて、多様な音楽スタイルと革新的なアプローチを追求し続けており、現在でもシンセポップの礎を築いた重要なアーティストとして位置づけられています。

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