オーケー・ゴー

OK Go

概要

OK Go（オーケー・ゴー）は、1999年にアメリカ合衆国イリノイ州シカゴで誕生したインディー・ロックバンドです。彼らは革新的なサウンドに加え、特にユーモアと緻密な仕掛けに満ちたミュージックビデオによって世界的に広く知られるようになりました。視覚芸術と音楽を高次元で融合させた彼らのスタイルは、その後の音楽表現に大きな影響を与えています。

来歴

バンドの核となるボーカルのダミアン・クーラッシュとベーシストのティム・ノードウィンドの出会いは、彼らが11歳だった夏に遡ります。子供向けの国際的なアートキャンプで、卓球をきっかけに意気投合した二人は、後に「The Greased Ferrets」というバンドを組み、身近な椅子をドラム代わりに演奏していました。OK Goというバンド名は、彼らが当時学んでいたアートの先生が、絵を描き始める際に発する口癖「Ok...Go!!」に由来しています。高校でギタリストのアンディー・ダンカン（後に脱退）を、そして大学でドラマーのダン・コノップカをメンバーに迎え、1999年にバンドとして活動を開始。2005年にダンカンが脱退した後、ギタリスト兼キーボード担当のアンディ・ロスが加入し、現在のラインナップとなりました。

音楽面では、2010年1月にアルバム『オブ・ザ・ブルー・カラー・オブ・ザ・スカイ』を発表しましたが、その直後の3月に所属レーベルであるEMIとの契約を解消するという選択をします。彼らはこのアルバムを、自身で設立したレーベル「Paracadute Recordings」から改めてリリースすることを発表しました。これにより、より自由な活動基盤を得たと考えられます。

また、彼らは日本のテクノポップユニットであるPerfumeの熱心なファンであることを公言しており、この親交から、2014年にはPerfumeのミュージックビデオに出演し、さらに2016年には共同での楽曲制作を行うなど、国境を越えたユニークなコラボレーションも実現しています。

ミュージックビデオ

OK Goの活動を語る上で、その実験的かつ独創的なミュージックビデオは欠かせない要素です。彼らの名は、2ndアルバム『オー・ノー』に収録された楽曲「ヒア・イット・ゴーズ・アゲイン」のビデオで世界に広く知られるようになりました。この映像では、数台のトレッドミル（ウォーキングマシン）の上でメンバーが複雑かつコミカルなダンスを披露しており、その斬新さが大きな話題を呼びました。このビデオは2007年度のグラミー賞「Best Short Form Music Video」を受賞し、YouTubeにおいても「YouTubeビデオアウォーズ」に輝くなど、インターネットを介して爆発的に拡散しました。この際の振り付けには、ダミアンの姉が関わっています。

同じく『オー・ノー』収録の「ア・ミリオン・ウェイズ」でも、メンバーが裏庭で踊るシンプルなダンスビデオが制作され、これを模倣するダンスコンテストがYouTube上で開催されました。このビデオの振り付けも、ダミアンの姉が手掛けています。

2014年の楽曲「I Won't Let You Down」のミュージックビデオでは、日本のテクノロジーとクリエイターとの協業が実現しました。ホンダの電動一輪モビリティ「UNI-CUB β」に乗り、大勢の日本人チアリーダーと共に傘を使ったマスゲーム風のパフォーマンスを披露。さらに特筆すべきは、マルチコプターを用いた全編ワンカットでの撮影という挑戦的な手法です。この制作には、クリエイティブディレクターの原野守弘氏、映像ディレクターの関和亮氏、振付ユニットのair:man、そして親交のあるPerfumeも協力しています。千葉県のロングウッドステーションで撮影されたこのビデオは、その技術的な難易度と視覚的なインパクトで大きな反響を呼び、2015年には中国の大手家具量販店のCMにも起用されました。

また、「Upside Down & Inside Out」のビデオは、ロシアの飛行機会社S7航空の協力のもと、飛行機内で実際に無重力状態を作り出して撮影されました。このように、彼らは常に既成概念にとらわれない、驚きに満ちた映像表現を追求し続けています。

メンバー

現メンバー

ダミアン・クーラッシュ (Damian Kulash) – ボーカル、ギター
ティム・ノードウィンド (Tim Nordwind) – ベース、ギター、ボーカル
ダン・コノップカ (Dan Konopka) – ドラム、パーカッション
アンディ・ロス (Andy Ross) – キーボード、ギター、ボーカル

旧メンバー

アンディー・ダンカン (Andy Duncan) - キーボード、ギター (2005年脱退)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『オーケー・ゴー』 - OK Go （2002年9月）
『オー・ノー』 - Oh No （2005年8月）
『オブ・ザ・ブルー・カラー・オブ・ザ・スカイ』 - Of the Blue Colour of the Sky （2010年1月）
『ハングリー・ゴースト』 - Hungry Ghosts（2014年10月）
『アンド・ジ・アジェイセント・ポッシブル』 - And the adjacent possible（2025年4月）

来日公演

OK Goはこれまでに数回、日本での公演を行っています。
2010年2月26日 東京 代官山UNIT
2014年7月27日 新潟 苗場スキー場 (Fuji Rock Festivalに出演)
2015年2月17日 東京 SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
2015年2月18日 大阪 梅田CLUB QUATTRO
* 2015年2月19日 東京 赤坂BLITZ

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