オーシャン (戦艦)

イギリス海軍 前弩級戦艦 オーシャン (HMS Ocean)

オーシャンは、イギリス海軍が建造したカノーパス級の前弩級戦艦の一隻です。1897年12月15日にデボンポート工廠で起工され、1898年7月5日に進水、1900年2月20日に就役しました。

艦歴

第一次世界大戦が勃発すると、オーシャンは1914年8月14日に海峡艦隊の第8戦艦戦隊に編入されました。その後、アイルランドのクイーンズタウンに派遣され、同地の警備や周辺を航行する巡洋艦戦隊の支援に従事しました。さらに東インド艦隊に編入され、1914年10月にはインド兵を乗せた船団をバーレーンまで護衛しました。同年10月から12月にかけては、ペルシャ湾に展開し、バスラに対する作戦を支援する部隊の旗艦を務めました。

1914年12月、オーシャンはスエズ運河の防衛を強化するため、エジプトのスエズに配備されました。同年12月29日にはスエズ運河南端に停泊し、1915年1月中旬までこの地にとどまりました。その後、運河を北上し、1915年2月3日と4日には、オスマン帝国軍の運河攻撃に対抗する陸上部隊を支援しました。

1915年2月下旬、オーシャンはダーダネルス海峡に移動し、ダーダネルス作戦に参加しました。1915年3月1日、海峡入り口の要塞への砲撃に参加しましたが、この攻撃で被弾したものの、深刻な損傷は免れました。同年3月4日には、Sedd el Bahrへの上陸作戦を支援しました。

1915年3月18日、オーシャンは海峡内部の要塞に対する攻撃に参加しました。戦艦イレジスティブルがErenkui湾で触雷した際、オーシャンは同艦を曳航するために派遣されましたが、曳航中に座礁してしまいました。離礁後、イレジスティブルの曳航が不可能と判断されたため、オーシャンはイレジスティブルに残っていた乗員を収容しました。放棄されたイレジスティブルは、その後、19時30分頃に沈没しました。

その頃、撤退中のオーシャンもまた触雷しました。右舷の石炭庫と通路が浸水し、操舵装置も故障、船体は右舷側に15度傾斜しました。さらに、沿岸からの砲撃を受け、右舷側の機関室が浸水し、操舵装置の修理も困難になりました。19時30分頃、オーシャンは放棄され、乗組員は駆逐艦によって救助されました。放棄されたオーシャンは、その後、砲撃を受けながらモルト湾へと漂流し、22時30分頃に沈没しました。その日の夕方遅く、駆逐艦ジェドがオーシャンとイレジスティブルを魚雷で処分するために海峡内に入りましたが、両艦を発見することはできませんでした。

参考文献

Burt, R. A. British Battleships 1889-1904. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press, 1988. ISBN 0870210610.
Chesneau, Roger, and Eugene M. Kolesnik, eds. Conway's All The World's Fighting Ships, 1860-1905. London: Conway Maritime Press, 1979.ISBN 0-85177-133-5
Dittmar, F. J. & Colledge, J. J., British Warships 1914-1919, (Ian Allen, London, 1972), ISBN 0-7110-0380-7
Gibbons, Tony. The Complete Encyclopedia of Battleships and Battlecruisers: A Technical Directory of All the World's Capital Ships From 1860 to the Present Day. London: Salamander Books Ltd., 1983.
Gray, Randal, Ed. Conway's All The World's Fighting Ships 1906-1921. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press, 1985. ISBN 0870219073.

外部リンク

MaritimeQuest HMS Ocean pages

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