オーシャンブルー (競走馬)

オーシャンブルー：サラブレッドの栄光と静寂

2008年3月26日生まれの競走馬、オーシャンブルー。その競走生活は、華々しい勝利と惜しまれる引退、そして静かな余生という、サラブレッドの一生を凝縮したようなドラマチックなものでした。

デビューは2011年。初勝利こそ3戦目とやや遅かったものの、その後は快進撃を見せます。樟葉特別、阿賀野川特別と連勝し、3連勝で休養。復帰後は幾多のレースを経験し、実力をつけ、西部スポニチ賞を制して準オープンクラスへ再昇級を果たします。そして、大原ステークスで勝利し、ついにオープンクラスへ。

2012年、重賞初挑戦となったアルゼンチン共和国杯では5着と健闘。続く金鯱賞では、ダイワマッジョーレとの激しい叩き合いを制し、見事重賞初制覇を飾りました。2分00秒4というコースレコードを樹立したこの勝利は、オーシャンブルーの才能を世に知らしめるものとなりました。さらに、年末の有馬記念ではゴールドシップに僅差で敗れながらも2着と好走。その強さと人気を不動のものにしました。

しかし、2013年は苦戦を強いられます。日経賞9着の後、シンガポール航空国際カップへの遠征も左前脚の打撲により断念。秋も3戦するも勝ち星には届かず、無冠の年となりました。

2014年、5歳となったオーシャンブルーは、中山金杯で見事復活を遂げます。カルドブレッサを4分の3馬身差で退け、重賞2勝目を手にしました。しかし、その後は思うような結果を残せず、2015年の有馬記念15着を最後に、2016年1月6日付で競走馬登録を抹消されました。

競走馬を引退したオーシャンブルーは、レックススタッドで種牡馬としての新たなキャリアを歩み始めます。5シーズンに渡り、42頭の血統登録馬を産み出し、そのうち27頭が出走、9頭が勝利を収めました。2020年シーズンをもって種牡馬を引退すると、ヴェルサイユファームに移り、乗用馬として穏やかな日々を過ごしました。2021年度からは、引退名馬繋養展示事業の対象馬にも選定され、多くの人々に愛されました。

しかし、2022年8月4日早朝、ヴェルサイユファームの馬房で左後肢を骨折しているのが発見されます。球節開放・腱の断切という重傷で、回復の見込みがないと診断されたため、苦渋の決断として安楽死処置が施されました。14歳でした。

オーシャンブルーの生涯は、競走馬としての華々しい活躍だけでなく、種牡馬、乗用馬としてのセカンドキャリア、そして引退後も人々に愛された穏やかな日々を含め、多くの感動を与えてくれました。その短いながらも充実した人生は、私たちにサラブレッドの力強さと美しさ、そして儚さを改めて感じさせてくれます。短い生涯でしたが、その輝きは、多くの人の記憶の中に永遠に刻まれることでしょう。 オーシャンブルーの功績は、これからも語り継がれていくはずです。

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