オージョイフル

株式会社オージョイフル：近畿地方のホームセンターとドラッグストアの歴史

株式会社オージョイフルは、近畿地方を中心にホームセンター『オージョイフル』とドラッグストア『オージェイ・ドラッグ』を展開していた企業です。2009年のダイキ（現DCM）への吸収合併を経て、その歴史に幕を閉じました。本稿では、オージョイフルの設立から合併までの軌跡、そして現在の状況について詳細に解説します。

設立と成長：朝日ウッドテックとオークワの連携

オージョイフルは、朝日特殊合板（現・朝日ウッドテック）の子会社である株式会社ジョイフル朝日と、スーパーマーケットチェーンオークワの関連子会社である株式会社オーマートが2002年に合併して設立されました。設立当初から、マツモトキヨシとの業務提携を結び、近畿地方における事業展開を積極的に推進しました。オークワとの関係性も深く、両社は密接に連携しながら、地域密着型の店舗運営に注力しました。

DCMグループへの参入と合併

2007年末、オージョイフルはDCM Japanホールディングス（現DCMホールディングス）に買収され、同グループの一員となりました。これにより、DCMグループは三重県ではカーマ、その他の地域ではダイキと、それぞれ異なるホームセンターチェーンを展開する体制となりました。特に三重県では、オージョイフルが南部、カーマが北部・中部に出店し、地域を分担する形を取っていました。

しかし、オージョイフルとダイキの営業エリアが重複していたことから、2009年3月1日、ダイキへの吸収合併が決定しました。合併後も店舗ブランドはしばらくの間従来通り維持されましたが、最終的には「ダイキ」に統一され、オージョイフルのブランドは消滅しました。現在、旧オージョイフルの店舗の一部は、ダイキからDCMへと引き継がれ、営業を継続しています。

ジョイフル本田との関係

興味深いことに、オージョイフルは関東地方でホームセンターを展開するジョイフル本田と深い繋がりを持っていました。ジョイフル朝日が初出店した際、ジョイフル本田から指導を受け、事業運営におけるノウハウを共有していたのです。この協力関係は、オージョイフルの初期成長に大きく貢献したと考えられます。

その他の「ジョイフル」との関係

一方で、かつて関東地方や福島県で「ジョイフル山新」ブランドを使用していたホームセンターの山新、そしてファミリーレストランのジョイフルとは、一切資本関係や経営上の繋がりはありません。名称が似ていることから混同されるケースも見られますが、これらは全く別の企業です。

店舗展開と閉鎖

オージョイフルは、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県に多くの店舗を展開していました。2008年時点での店舗数は約27店舗に上り、近畿地方における重要な小売事業者として存在感を示していました。しかし、ダイキへの吸収合併後、店舗数は減少。ブランド名は「ダイキ」、そして「DCMダイキ」、そして最終的に「DCM」へと変更されていきました。

まとめ

株式会社オージョイフルは、近畿地方の地域経済に貢献したホームセンターおよびドラッグストア企業でした。朝日ウッドテック、オークワとの連携、そしてDCMグループへの参入を経て、ダイキへの吸収合併という歴史を辿りました。現在、その店舗はDCMブランドとして営業を続けており、オージョイフルのDNAは、新たな形で受け継がれていると言えるでしょう。

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