オーストラリア・バレエ団

オーストラリア・バレエ団の概要

オーストラリア・バレエ団は、1962年に設立され、国内最大のクラシック・バレエ団として知られています。設立当初から広く国際的に認知され、精力的に活動を続けているこの団体は、オーストラリアのダンス界において重要な存在です。特に、英国出身のダンサーであり指導者であったペギー・ヴァン・プラフが初代芸術監督を務め、彼女のリーダーシップの下で数多くの伝統的及び現代的な作品が上演されてきました。

歴史的背景

オーストラリア・バレエ団の起源は1940年に遡ります。その当時、チェコ出身のダンサーエドゥアール・ボロヴァンスキーがボロヴァンスキー・バレエ団を設立しました。彼は日本のバレリーナ、アンナ・パヴロワのバレエ団の一員でしたが、オーストラリアへの公演の後、オーストラリアで舞台活動を続けることを決断し、メルボルンには自身のバレエ学校を開校しました。この学校を中心に形成されたのがボロヴァンスキー・バレエ団です。続いて1959年に彼が亡くなると、団体は解散の運命に見舞われました。しかし、1962年には、新たなバレエ団の設立に向けて連邦政府からの助成金を受けることができたため、オーストラリア・バレエ団が誕生したのです。

初公演として選ばれたのは、チャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』であり、1962年11月2日にシドニーのハー・マジェスティーズ劇場にて上演されました。この公演は大きな反響を呼び、オーストラリア・バレエ団としての第一歩を踏み出しました。

現在の活動

現在、オーストラリア・バレエ団はメルボルンを拠点にしています。彼らの本部は、ポッター夫人にちなんで名づけられたプリムローズ・ポッター・オーストラリア・バレエ・センターとして知られ、長年にわたりこの団体を支援してきた重要な場所です。国内の各州の劇場でツアーを展開するほか、海外公演や年次の野外公演も行っています。バレエ団のダンサーは、多くがオーストラリア・バレエ学校の卒業生であり、両者は密接に連携しています。

年間約200回の公演を行うオーストラリア・バレエ団は、ダンス芸術の発展に寄与することを自負しています。「伝統を大切にしつつ、新たな挑戦を恐れない」という理念のもと、古典的名作から現代の作品まで幅広いレパートリーを持ち続けています。また、教育プログラムを通じて、国内で年間40,000人以上の子供たちにダンスを教えるなど、次世代の舞台芸術を育成しています。

収益源と現在の指導者

オーストラリア・バレエ団の収入は、熱心な観客からの興行収入が主なものであり、政府の助成金や企業スポンサー、さらには個人からの寄付も支持を得ています。芸術監督には、アメリカン・バレエ・シアターの元プリンシパルであったデイヴィッド・ホールバーグが就任しており、彼はバレエ団の新しい指針を示す役割を果たしています。また、音楽監督にはニコレット・フレイヨンが務めており、彼女は世界的に唯一女性のバレエ団付き首席指揮者として注目されています。

特別な賞

テルストラ・バレエダンサー賞も、若手ダンサーを支援する重要な取り組みとして知られています。この賞は2003年から毎年授与され、若い才能を育てる機会を提供しています。特に、オーストラリアのダンサーを対象とし、受賞者には賞金が授与されるなど、その影響力は計り知れません。

オーストラリア・バレエ団は、その設立から現在に至るまで、ダンスの進化と伝統の継承の両方を大切にしており、国際的な舞台でその名声を高める努力を続けています。

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