オーストラリア緑の党

オーストラリア緑の党（The Australian Greens）は、環境保護を主要な政策理念とするオーストラリアの政党です。グローバルグリーンズにも加盟しており、国際的な環境保護運動とも連携しています。

歴史

同党の起源は、1980年代のオーストラリア東部におけるタスマニア州のフランクリン・ダム建設反対運動、そして西オーストラリア州における核兵器削減への関心にあります。これらの運動が、環境保護を軸とした政治活動の土台となり、その後の党の発展につながりました。政治基盤は、環境保護だけでなく、平和運動、草の根民主主義、そして社会正義へと拡大していきました。

同党の歴史は、世界初の緑の党と称される「連合タスマニアグループ」（UTG）に遡ります。このグループは1972年の選挙に初めて立候補しました。その後、UTGの参加者は「タスマニア緑の党」を結成し、この党からボブ・ブラウンが州上院議員に選出されました。1996年の連邦選挙では、ブラウンと西オーストラリア緑の党のディー・マーゲッツが初のオーストラリア緑の党の上院議員となりました。

2010年の連邦選挙では、同党は大きな躍進を遂げました。この選挙で、連邦上院では合計9議席を獲得し、連邦下院でも初めて1議席を獲得しました。これにより、同党はオーストラリアの政治において、より重要な役割を担うようになりました。

組織と活動

オーストラリア緑の党は、6つの州と2つの特別地域の緑の党の連合体として組織されています。連邦党首はアダム・バントが務めています。捕鯨問題に関しては、シーシェパードを支持し、断固とした対応を求めています。

2010年には、シーシェパードのピーター・ベスーンが日本の監視船に衝突し逮捕された事件がありました。これに対し、当時のブラウン党首は、日本の司法制度を批判し、ベスーンの解放を求める国際的なキャンペーンを行うと表明しました。また、オーストラリア連邦警察がシーシェパードの船を捜索したことについては、政府が日本からの圧力に屈したと強く非難しました。

近年の動向

2017年7月には、同党所属の2人の連邦上院議員が、二重国籍問題の発覚により辞職しました。この出来事は、同党の組織運営や議員の資格に関する問題を提起し、政治的な議論を呼びました。

政策

オーストラリア緑の党は、環境保護、社会正義、平和運動を重視しており、以下のような政策を掲げています。

気候変動対策：再生可能エネルギーへの移行と温室効果ガス排出量の削減を積極的に推進しています。
社会正義：貧困削減、平等な機会の提供、先住民の権利擁護に取り組んでいます。
* 平和と非暴力：軍事費の削減と紛争の平和的解決を提唱しています。

まとめ

オーストラリア緑の党は、環境保護を重視し、社会正義と平和を追求する政党として、オーストラリアの政治において重要な役割を果たしています。その起源は1970年代の環境運動に遡り、連邦議会においても議席を獲得し、影響力を増しています。捕鯨問題では強硬な姿勢をとり、シーシェパードを支持するなど、独自の立場を貫いています。

外部リンク

The Australian Greens（公式サイト）

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