オーストラリア連邦科学産業研究機構

オーストラリア連邦科学産業研究機構（CSIRO）

オーストラリア連邦科学産業研究機構（Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation：CSIRO）は、オーストラリア教育科学訓練省が所管する、オーストラリア最大の国立研究機関です。1916年に設立され、CSIROと略称されることが一般的です。

CSIROは、産業への応用や公共の利益に繋がる国家的な課題解決を目的として、幅広い分野で研究開発活動を行っています。その研究分野は、農業、環境、情報通信、保健、材料、製造、鉱物、エネルギーなど多岐にわたり、6500人ものスタッフがこれらの研究活動に従事しています。本部は首都キャンベラに置かれ、国内および海外に大小合わせて57カ所の拠点を展開しています。

CSIROの年間予算規模は、2006-07年度には連邦政府からの予算だけで6億700万豪ドルに達し、外部からの委託研究費などを加えると、9億豪ドルを超える規模となっています。この予算規模からも、CSIROがオーストラリアの研究開発において非常に重要な役割を担っていることがわかります。

国家研究フラッグシップ

CSIROは、オーストラリア政府が推進するイノベーション行動計画の中心的な研究プログラムである「国家研究フラッグシップ」を主導しています。このプログラムは、国家として直面する重要な課題に対応するため、産学官の研究者が結集し、以下の6つの国家目標を掲げています。

1. 強力で持続可能な経済成長、新産業、競争力のある事業と質の高い仕事の創出
2. より健康で生産的なオーストラリア国民の生活の実現
3. クリーンで経済的なエネルギーの確保
4. より生産的で持続可能な水利用の実現
5. 海洋からの持続可能な富の創出
6. 地方の成長と繁栄の促進

これらの目標達成に向けて、以下の6つのフラッグシップが設置され、研究活動を推進しています。

エネルギー変換フラッグシップ（Energy Transformed Flagship）: 温室効果ガスの排出量を半減させ、エネルギー生産と供給の効率を2倍にすることを目標としています。
食料の将来フラッグシップ（Food Futures Flagship）: 国際競争力を高め、年間30億豪ドルの付加価値を生み出すことを目指しています。
軽金属フラッグシップ（Light Metals Flagship）: 環境への影響を低減しながら、輸出を倍増させ、新たな産業を創出することを目指しています。
予防医療フラッグシップ（Preventative Health Flagship）: 健康増進と年間20億豪ドルの医療費削減を目指しています。
健康な国のための水フラッグシップ（Water for a Healthy Country Flagship）: 水からの経済的、社会的、環境的利益を10倍にすることを目標としています。
海洋からの財産フラッグシップ（Wealth from Oceans Flagship）: 海洋システムの理解を深め、経済的、社会的、環境的な富を世界水準で供給することを目指しています。

国家研究フラッグシップの年間予算規模は、政府支出6200万豪ドルを含め、総額1億4500万豪ドル（2004-05年）に達します。さらに、オーストラリア政府は今後7年間で3億500万豪ドルの追加支出を表明しており、総額15億豪ドル規模のオーストラリア史上最大規模の研究プログラムとなることが見込まれています。

所有する施設

CSIROは、南オーストラリア州ウーメラにウーメラ試験場を所有しており、研究開発活動に利用しています。

関係者

研究者として、トビー・ウォルシュ氏がCSIROに関わっています。

関連項目

CSIROに関連する項目として、以下のものがあります。

CSIRAC
Ecoult
ウルトラバッテリー

外部リンク

CSIRO 公式サイト（英語）
* History of CSIRO（英語）

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