オーストラリア (映画)

映画『オーストラリア』の詳細解説

映画『オーストラリア』（Australia）は、バズ・ラーマン監督が、オーストラリアを舞台に壮大なスケールで描いたロマンスと冒険の物語です。主演はニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマン。第二次世界大戦勃発前を舞台に、運命に翻弄されながらも強く生きる人々の姿を、圧倒的な映像美とドラマチックな展開で描き出しています。

あらすじ

物語は、イギリス貴族のサラ・アシュレイ夫人（ニコール・キッドマン）が、亡き夫の遺産であるオーストラリアの広大な牧場「ファラウェイ・ダウンズ」を訪れるところから始まります。夫の不在が長引く中、彼女を待っていたのは、荒れ果てた牧場と夫の死。そこで出会ったのは、ドローヴァー（ヒュー・ジャックマン）と呼ばれる粗野なカウボーイでした。牧場の管理人ニール・フレッチャーの裏切りにより窮地に立たされたサラは、残された1500頭の牛を率いて、遠く離れたダーウィンの港を目指す決意をします。道中、アボリジニの呪術師キング・ジョージに見守られながら、混血の少年ナラと旅を共にします。ダーウィンに到着し、牛の売買契約を軍と結ぶことに成功しますが、大牧場主キング・カーニーの策略によって困難に見舞われます。そんな中、サラとドローヴァーは互いに惹かれあいますが、感情のすれ違いからドローヴァーは去ってしまいます。しかし、第二次世界大戦の勃発によって、ナラのいるミッション・アイランドが日本軍の攻撃目標となったことを知り、ドローヴァーはサラとナラを救うために再び立ち上がります。戦火の中で再会を果たした3人は、新たな関係へと踏み出していくのでした。

登場人物

レディ・サラ・アシュレイ: 英国貴族の女性。夫の死後、オーストラリアの牧場を相続し、過酷な環境の中で強く生き抜こうとする。演じるのはニコール・キッドマン。
ドローヴァー: 野性味あふれるオーストラリアのカウボーイ。サラの牧場へ案内する道中、互いに惹かれあう。演じるのはヒュー・ジャックマン。
ニール・フレッチャー: サラの牧場の管理人だが、実はキング・カーニーの手先。演じるのはデビッド・ウェナム。
キング・カーニー: オーストラリアの大地主で、戦争を利用して私腹を肥やそうと企む。演じるのはブライアン・ブラウン。
キプリング・フリン: アルコール中毒の老会計士。演じるのはジャック・トンプソン。
ナラ: 白人とアボリジニのハーフの少年。サラと共に旅をする中で、重要な役割を果たす。演じるのはブランドン・ウォルターズ。
キング・ジョージ: アボリジニの呪術師で、ナラの祖父。演じるのはデイヴィッド・ガルピリル。
キャサリン・カーニー: キング・カーニーの娘。フレッチャーと結婚する。演じるのはエッシー・デイヴィス。

製作の背景

当初、ラッセル・クロウとニコール・キッドマンが主演候補でしたが、クロウの降板によりヒュー・ジャックマンが起用されました。撮影は2007年2月から開始されました。ニコール・キッドマンは当時妊娠中でしたが、降板することなく撮影を終えています。

史実との差異

作中では日本軍がオーストラリアに上陸し、アボリジニを殺害するシーンがありますが、これはフィクションです。実際には、日本軍はダーウィンを空爆しましたが、オーストラリア本土に上陸した事実はありません。

評価

興行収入においては、北米で初登場5位、オーストラリアでは初登場1位を記録。オーストラリアでは、国内2番目の興行収入を記録しています。

受賞歴

サテライト賞：美術賞、撮影賞、視覚効果賞
アカデミー賞：衣装デザイン賞（ノミネート）

参考文献

公式ウェブサイト（日本語）
公式ウェブサイト（英語）
allcinema
KINENOTE
オールムービー（英語）
IMDb（英語）

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