オーソリティー (プロレス)

WWE「オーソリティー」とは

「オーソリティー（The Authority）」は、2013年からアメリカのプロレス団体WWEに登場したヒールユニットです。WWEの最高執行責任者（COO）であるトリプルHが中心となり、実力者たちを束ねて、WWEのトップ選手たちと激しい抗争を繰り広げました。「権力」を意味するオーソリティーの名が示す通り、組織的な権力を背景にした策略や、メンバー間の裏切りなどが特徴的なユニットでした。

結成と初期の活動

オーソリティー結成のきっかけは、2013年8月のサマースラムでの出来事でした。トリプルHがダニエル・ブライアンを裏切り、ランディ・オートンにWWE王座を奪わせたのです。その後、トリプルHは「格付けB+のブライアンが王者では会社のためにならない」と宣言し、ブライアンとの抗争を開始。ステファニー・マクマホン、ビンス・マクマホン、そしてシールドのメンバーを従え、なりふり構わぬ手段でブライアンを妨害しました。

COOの権限を濫用して王座を剥奪したり、ビッグ・ショーに圧力をかけて手駒にしたり、ショーン・マイケルズの介入を招いたり。オーソリティーはあらゆる手を使ってブライアンから王座を遠ざけようとしました。ケインを運営部長に任命するなど、組織としての体制も強化しました。

2013年末には、ジョン・シナが保持していた世界ヘビー級王座とオートンのWWE王座を統一させ、オートンをWWE世界ヘビー級王者に押し上げました。しかし、ロイヤルランブル明けからはブライアンとの抗争を再開。レッスルマニア30では、トリプルH自身がブライアンと対戦することになりました。

また、この頃にはシールドがオーソリティーから離反。ニュー・エイジ・アウトローズが加入するなど、メンバー構成にも変化が見られました。

レッスルマニア30以降

レッスルマニア30では、オーソリティーはトリプルH、オートンが敗北し、組織として全敗。しかし、オーソリティーはここで終わらず、バティスタを正式メンバーに加え、ブライアンへの攻撃を激化させました。シールドとの抗争も激化し、トリプルH、オートン、バティスタによるエボリューションが復活しました。

ブライアンとの抗争は、ステファニーが中心となって展開。ケインを怪奇派として再登場させ、ブライアンを襲撃させました。また、ブライアンの妻であるブリー・ベラを巻き込んだ抗争も繰り広げられました。

シールドとの抗争では、エクストリーム・ルールズ、ペイバックとエボリューションが連敗。ペイバック翌日のRAWでは、バティスタが離脱。しかし、トリプルHはセス・ロリンズをシールドから寝返らせ、シールドを分裂させることに成功しました。

ロリンズを新たなメンバーに加えたオーソリティーは、マネー・イン・ザ・バンクでロリンズをMr.マネーにすることに成功。しかし、WWE世界ヘビー級王座争奪ラダー戦では、ケインの不可解な行動により、王座奪取には至りませんでした。

その後も、オートンとケインの仲間割れや、ブロック・レスナーとの共闘、ステファニーとブリー・ベラの抗争など、様々な出来事がありました。

権力夫妻の失脚と復権

2014年11月、サバイバーシリーズでのチーム・シナ対チーム・オーソリティー戦で、オーソリティーが敗北。トリプルHとステファニーは権力を失うことになりました。しかし、ロリンズを中心にシナ達との抗争を継続。12月には、シナにトリプルHとステファニーの復職を要求させ、権力を取り戻しました。

権力復帰後、トリプルHとステファニーはサバイバーシリーズのチームシナのメンバーを解雇。シナとの抗争を激化させました。また、レスナーとロリンズの関係もギクシャクし、ロイヤルランブルでのWWE王座戦はトリプルスレッド戦に変更されました。

PPVファスト・レーンでは、ダニエル・ブライアンとレインズを対戦させ、レッスルマニア31でのレスナーへの挑戦権を争わせました。また、トリプルHはスティングとサバイバーシリーズ以来の直接対面を果たし、レッスルマニア31での決着戦を意識させました。

レッスルマニア31以降と解散

レッスルマニア31では、ロリンズがマネー権を行使してWWE王座を奪取。オーソリティーとして最高の状態でレッスルマニアを終えました。しかし、その後は他のメンバーがロリンズに不満を募らせたり、レスナーとの抗争によって次々と組織から抜けていき、最後にはロリンズと夫妻のみとなりました。

2015年11月、ロリンズが負傷により王座を返上。オーソリティーは事実上の解散状態となりました。

メンバー

トリプルH（リーダー兼COO）
ステファニー・マクマホン（副リーダー）
ビンス・マクマホン（WWE会長）

元メンバー

ロマン・レインズ
ディーン・アンブローズ
ビリー・ガン
ロード・ドッグ
バティスタ
ランディ・オートン
ビッグ・ショー
ケイン
J&Jセキュリティー（ジェイミー・ノーブル & ジョーイ・マーキュリー）
セス・ロリンズ
スコット・アームストロング (レフェリー)

オーソリティーは、WWEにおいて権力と策略を駆使したヒールユニットとして、大きな影響を与えました。メンバーの変遷や内部抗争、そしてトップ選手たちとの激しい戦いは、多くのファンを魅了しました。

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