オーディオグラフィック

『オーディオグラフィック』の概要

『オーディオグラフィック』は、1986年12月25日にNHK BS1で初めて放送された音楽映像番組です。この番組は、音楽を聴きながら美しい映像を楽しむことができる内容となっており、NHKのBSアナログ放送の試験放送時代から続いていました。1990年代には、多数の派生番組が制作され、地上波の「MUSIC BOX」などはこの番組を基にしています。

番組の内容は、様々な自然や風景、花、人形などの映像をバックに、クラシック音楽やポップスをそれぞれ1時間ずつ放送するものでした。音楽と映像は、当時の先進的なBモードステレオ方式で放送され、視聴者に視覚と聴覚の両方で楽しませる工夫が凝らされていました。映像は、NHKが過去に撮影した素材を再編集し、曲名のテロップを追加する形で制作されましたが、「錦の京」（1995年制作）のように特別に新しく撮影された映像も存在しました。

『オーディオグラフィック』は、単なる音楽番組にとどまらず、初期の放送では「Bモードステレオ放送」と明示されており、Bモード放送の試験的な側面も持っていました。また、SD映像であるため、当初はBS1とBS2のみに限られた放送となっていました。後には、ハイビジョン・オーディオグラフィックと呼ばれるHD制作の映像もあり、愛好者の中では高い評価を受けています。

番組の特徴と人気

この番組が持つ大きな魅力は、世界中の美しい映像と、それに合わせた厳選された音楽の調和です。高品質のPCM48KHz Bモード放送により、音質面でも高い評価を得ました。しかし、ほとんどが再放送であったため、その結果一部視聴者は飽きてしまった面も否めません。それにもかかわらず、一部のファンからは根強い支持を受けており、現在でも復活を望む声が少なくない状況です。

放送内容

『オーディオグラフィック』にはいくつかのカテゴリーが存在しました。

• - オーディオグラフィック：クラシックを中心に構成された番組（1時間）
• - Audio Graphic：洋楽や邦楽を取り入れた音楽番組（1時間）
• - AUDIO GRAPHIC POPS：1980年代の洋楽と地域ごとに分けられた自然の映像を組み合わせた番組（1時間）
• - ハイビジョン・オーディオグラフィック：HD撮影（部分的にはフィルムからのテレシネ技術を使用）による自然風景や街並みをテーマにした編成（30分）

放送スケジュール

• - BS1：毎日深夜3時から4時
• - BS2：毎日深夜3時から4時
• - BShi：初回放送は1997年10月から午前10時から11時に放送されていました。

終了の背景

『オーディオグラフィック』は、高品質な映像と音楽の融合を提供していましたが、最終的には権利問題やNHKの運営方針の変更によるコスト削減が影響し、終了を迎えました。今もなお、一部の視聴者からはその復活を望む声が聞かれる一方で、音楽文化の素晴らしさを思い起こさせてくれた貴重な番組として記憶されています。

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