地上波

地上波とは

地上波とは、地上を伝わる電波を指し、その主な用途はラジオやテレビの放送にあります。地上波は、衛星波と対になる概念で、地面を介して直接的に受信できるため、多くの家庭で手軽に利用されています。

電波の伝播特性

地上波の伝播には、様々な種類があります。主に、以下の三つの伝播形態に分類されます。

1. 直接波: 受信点に直接届く電波で、最も伝播能力が高いです。
2. 反射波: 地面や建物、地形などで反射して届く電波。環境によって影響を受けやすい特性があります。
3. 回折波: 地面や障害物の周りを回り込んで届く電波。地平線を越えて伝播できるのが特徴です。

これらの波形は、複数の性質が組み合わさることで、より複雑な伝播形態を形成します。特に、地上波の伝播において重要なのは、直接波と大地反射波であり、これらをあわせて空中波と呼びます。空中波は、電波の強度が距離に応じて急速に減少するため、障害物や地平線に阻まれることがあります。

一方で、大地回折波（地表波）は、地面に近い位置を伝わるため、地平線を超えることが可能です。これにより、空中波よりも長距離へと伝播することができます。また、電離層で反射する電波は「電離層波」と呼ばれ、遠くまで届くことができる特徴があります。

地上波放送の仕組み

地上波放送は、地上に設置された送信所から電波を発信し、これを受信機で受信します。地上波放送は、衛星放送とは対照的に、主に送信所の周辺地域への受信が可能で、信号は送信所からの距離が増すにつれて弱まります。しかし、その一方で、受信アンテナの設置が比較的容易であり、小型化されたアンテナでも受信可能なため、多くの家庭で使われています。

ラジオ放送の場合、特に超短波放送は空中波が届く範囲限定で復調されます。しかし、長波や中波、短波といった帯域では、大地回折波や電離層波を利用することで、比較的長距離の通信が可能です。

テレビ放送においては、主に高い山頂や電波塔に設置されたアンテナを使用し、超短波（VHF）や極超短波（UHF）での放送が行われています。日本の地上デジタルテレビ放送は、主にUHFを使用しています。これらの電波は直接波が中心となるため、都道府県単位で複数の送信アンテナが必要になってきます。

参考文献と関連項目

地上波の特性や放送技術についての理解を深めるために、関連する項目を参照することを推奨します。無線通信や電波の周波数による分類、デジタル放送の一覧など、様々な情報があります。これらの知識を結びつけて理解することで、地上波放送についての視野を広げることができるでしょう。

もう一度検索