オーバン・スターレーサーズ

オーバン・スターレーサーズ

『オーバン・スターレーサーズ』は、Sav! The World Productionsとハルフィルムメーカーが共同で制作した、日仏合作のSF冒険アニメです。2006年にアメリカで放送開始後、日本でもトゥーン・ディズニーやNHK BS2で放映されました。

概要

このアニメは、レースを軸に物語が展開される点が特徴です。2001年に話題となったフランスのCG作品『Molly Star-Recer』が企画のきっかけとなり、6年の歳月をかけて制作されました。Sav! The World Productionsのアートチームが2年以上東京に滞在し、ハルフィルムメーカーと共同で制作にあたりました。2DCGはハルフィルムメーカー、3DCGはPUMPKIN-3Dが担当しています。作品は、アルーアス編とオーバン編の2部構成となっており、ジェティックス・ヨーロッパ、フランス3など、複数の製作パートナーが参加しています。

制作者たちは、特に『未来少年コナン』といった昔の日本アニメから大きな影響を受けており、構想は1997年にスタートしました。監督の一人であるトマ・ロマンは、制作のために来日して以来、日本のアニメ制作会社サテライトを拠点に活動しています。

ストーリー

西暦2057年、超光速航法の開発により宇宙開拓時代を迎えた地球は、攻撃的な異星人クロッグの奇襲を受けます。しかし、2067年に突如現れたアバターによってクロッグ軍は撤退。その後15年間、平和が保たれていましたが、2082年、アバターの再来によって、1万年に1度開催される「オーバン・スターレース」への参加を余儀なくされます。

このレースは、銀河中から選ばれた優秀なパイロットたちが競い合うもので、不参加や敗退は地球の滅亡に繋がります。地球の命運を背負い、ドン・ウェイ率いるレーシングチームがレースに挑むことになります。レースの結果は銀河の勢力図を塗り替えるとも言われており、究極の試練ともいえる戦いが繰り広げられます。

主な登場人物

モリー / エバ・ウェイ (Molly / Eva Wei)
本作の主人公。15歳。実はドン・ウェイの娘だが、父とは長年会っていない。父のチームに「モリー」という偽名で潜り込みます。
ジョーダン・ワイルド (Jordan Wilde)
アロー号の狙撃手。17歳。射撃の腕を買われ、ドン・ウェイにスカウトされました。モリーの良き相棒です。
ドン・ウェイ (Don Wei)
地球で最も高名なレースマネージャー。モリーが実の娘とは知らず、衝突を繰り返します。
リック・サンダーボルト (Rick Thunderbolt)
レーサー。地球のマイナーリーグチャンピオンパイロット。モリーを何かと気にかけています。アルーアス予選で負傷し、レーサーを引退するもモリーのコーチとして彼女を指導します。
スタン (Stan)
メカニック。電子工学専門で、祖父の工場の技術者です。
コージ (Koji)
メカニック。機械工学専門で、スタンの実家の工場で働いています。
サティス (Satis)
アバターから派遣された案内役で、関西弁で話します。実は、過去のオーバン・スターレースの優勝者です。
アイカ王子 (Aikka)
ヌーラシア星の王子。モリーと友好的な関係を築き始めます。巨大なカブトムシのような生物を操ります。
マヤ・ウェイ (Maya Wei)
モリーの実母でドン・ウェイの妻。優秀なレーサーだったが、10年前のレースで事故死しています。しかし、事故は人為的なものだったことが終盤で判明します。
アバター (Avatar)
オーバン・スターレースの主催者。優勝者に「究極の褒賞」を与えると言います。
カナレット (Canaletto)
レースを裏で操る鳥人型の宇宙人。過去のオーバン・スターレースの優勝者で、封印されていました。

敵レースキャラクター

アルーアス予選からオーバン本選にかけて、さまざまな個性的なレーサーが登場します。グローア、フリント、セレス、パラダイス、スピリット、トロス大佐、ラッシュ、ニン、スクン、ムイール、ファーター卿、オー、クロス将軍、オンダイ、スルなど、多種多様な種族のレーサーたちが、それぞれの目的のためにレースに参加します。

作中用語

オーバン・スターレース
一万年周期で開催されるレース大会。予選はアルーアスなど3つの惑星で行われ、本選は惑星オーバンで行われます。優勝者は「究極の褒賞」を手に入れます。
地球
モリーたちの故郷の惑星。超光速航法の開発により宇宙開拓時代を迎えるも、クロッグに襲撃されます。
惑星アルーアス
予選大会の開催地。イカ型宇宙人が暮らしています。
惑星オーバン
本選の舞台。創造主と呼ばれる種族がかつて住んでいた場所です。
飛行神殿
レーサーたちの拠点となる場所。パワーピラミッドと呼ばれる装置があります。
ヌーラシア星
アイカ王子の故郷で、地球と敵対するクロッグの同盟国です。
クロッグ
地球の攻撃的隣人である宇宙人。
創造主
かつて惑星オーバンに住んでいた高度な技術を持つ種族。オーバン・スターレースの起源を作りました。
アロー号
地球チームのスターレーサー高速宇宙船。チームの冒険に寄り添います。
パワーピラミッド
創造主たちが残した装置。レースの優勝者が触れることでアバターとなります。
アバター
宇宙の管理者の称号であり、「究極の褒賞」そのもの。長寿と宇宙の守護者としての使命を帯びます。

スタッフ

原作はSav! The World Productions、監督はトマ・ロマンとサヴァン・イェットマン・エッフェルが務めました。キャラクターデザインは佐々加奈子、メカデザインは杉本功が担当。音楽は岩崎琢が担当しました。アニメーション制作はハルフィルムメーカーとPumpkin-3Dが担当しています。

主題歌

オープニングテーマはAKINO from bless4が歌う「Chance To Shine」、エンディングテーマはスコシが歌う「笑ってた」です。

各国での放送状況

フランス、アメリカ、日本で放送され、日本では2007年10月からNHK-BS2でも放送されました。また、Kickstarterでのクラウドファンディングにより、HD画質のBlu-ray Discが制作され、日本でも視聴可能となっています。

外部リンク

作品紹介: オーバン・スターレーサーズ - ゆめ太カンパニー
オーバン・スターレーサーズ 公式サイト（英語）（フランス語）
Ōban, Star-Racers - Sav! The World Productions（英語）（フランス語）
Oban Star-Racers' 15th Anniversary Bluray by Sav! The World Productions — Kickstarter - クラウドファンディング実施ページ（英語）
* KICKSTARTERページ ご案内 - クラウドファンディング日本語紹介ページ（公式サイト内）

もう一度検索