オープン仮想化フォーマット

オープン仮想化フォーマット（OVF）とは

オープン仮想化フォーマット（Open Virtualization Format、OVF）は、仮想マシンのイメージを記述するための標準規格です。この規格は、異なる仮想化プラットフォーム間での仮想マシンの相互運用性を向上させることを目的としています。具体的には、異なる仮想化ソフトウェア（例えば、VMware、VirtualBox、Xenなど）を使用している環境間で、仮想マシンのイメージを共有し、互換性を確保することを可能にします。

OVFは、仮想マシンの構成や属性情報をXML形式で記述します。このXMLファイルには、仮想マシンのハードウェア構成（CPU、メモリ、ディスクなど）、ネットワーク設定、仮想ディスクイメージの場所などが含まれます。OVFファイル単体で使用されることもありますが、通常は、仮想ディスクイメージなどの関連ファイルと共に、Open Virtualization Format Archive（OVA）と呼ばれる単一のアーカイブファイルにまとめられます。OVAファイルは、tar形式で圧縮されたファイルで、配布や共有が容易に行えます。

OVFの歴史

OVFは、DMTF（Distributed Management Task Force）という業界標準化団体によって開発・管理されています。この規格の開発には、ノベル、デル、ヒューレット・パッカード、IBM、マイクロソフト、Enomaly、VMware、XenSource（現在のシトリックス・システムズ）などの主要なIT企業が参加しました。この幅広い業界のサポートにより、OVFは仮想化環境における重要な標準規格としての地位を確立しました。

OVFのデータ構成

OVFファイルは、仮想マシンの情報を記述したXMLファイルです。このファイルには、以下の情報が含まれています。

仮想マシンのハードウェア構成（CPU数、メモリ容量、ディスク容量など）
仮想ネットワーク設定（ネットワークアダプタの種類、IPアドレスなど）
仮想ディスクイメージの場所と形式
仮想マシンのオペレーティングシステム情報
その他の仮想マシンに関するメタデータ

これらの情報に基づいて、仮想化ソフトウェアは仮想マシンを適切に構成し、実行することができます。通常、OVFファイルと仮想ディスクイメージファイルは、OVAファイルとして一つのアーカイブにまとめられ、配布や展開が容易になります。

OVFの実装と利用

OVFは、様々な仮想化ソフトウェアでサポートされています。代表的な例としては、以下のものが挙げられます。

VMware Workstation
Oracle VM VirtualBox

これらの仮想化ソフトウェアでは、OVFまたはOVAファイルをインポートすることで、仮想マシンを簡単に展開することができます。これにより、異なる仮想化環境間で仮想マシンを移動したり、共有したりすることが容易になります。

OVFに関するリソース

以下は、OVFに関する参考資料です。

DMTFの日本語ポータル: DMTF日本語ポータル
Open Virtualization Format Specification: Open Virtualization Format Specification
VMAN: VMAN
OVF Whitepaper (古い): OVF Whitepaper
DMTFのOVFに関するプレスリリース: DMTFのOVFに関するプレスリリース
OVFに関する歴史(英語): OVF History
Open OVF project(オープンソースによるOVF実装): Open OVF project
open OVF Wiki: Open OVF Wiki
Open OVFリリース広報: Open OVF Releases
プロポーザル資料(XenSummit 2008BostonやKVMSummit2008での発表資料): XenSummit 2008Boston, KVMSummit2008
[VMware]]によるOVFツール: [VMware OVF Tool
[VMware]] Studio 1.0: [VMware Studio 1.0 (古い製品)
Kensho(見性) Project: Kensho Project
Xen用ゲストのOVF機能とXenServerとのCIMによる制御機能を提供: Xen OVF
OVFに準拠しているアプライアンスの例: Turnkey Linux Virtual Appliance

これらのリソースは、OVFの仕様、実装、および利用方法についてさらに詳しく学ぶための出発点となるでしょう。

もう一度検索