オーム社

株式会社オーム社の概要

株式会社オーム社（英: Ohmsha, Ltd.）は、日本で理工学書やコンピュータ関連書を中心に幅広い分野の専門書を展開している出版社です。その社名は、電気の抵抗を表す単位「オーム（Ω）」に由来しており、電気工学との深い関わりを示しています。

創立の背景と歴史

オーム社は1914年（大正3年）に創立されました。この年、東京電機大学の創立者である廣田精一と、電機学校の校長であった扇本眞吉が、電気技術者向けの専門雑誌を発行する必要があると感じ、電気雑誌『OHM』を創刊しました。初代代表には廣田自身が就任し、以降この出版社は理工学分野の情報発信拠点としての役割を果たしています。

『OHM』という雑誌名は、オームの法則に基づいた電気抵抗の単位にちなんでいますが、広田のイニシャル「H」、扇本の「O」、そして教頭の丸山の「M」が組み合わさった名称とも言われています。創刊以降、オーム社は電気電子工学や応用物理、情報科学など多様なテーマに類する書籍や雑誌を発行し続けています。

取り扱う書籍と雑誌

オーム社では、学術専門書や教科書、一般向け書籍、実用書、資格試験に関する参考書など、実に多彩な種類の単行本があります。文部科学省の検定を受けた教科書も取り扱っており、教育関連の出版物にも力を入れています。

発行している雑誌には、月刊『OHM』、『新電気』、『電気と工事』、及び『設備と管理』などがあります。これらの雑誌は、専門知識を必要とする電気工学技術者や関連分野の専門家向けに最新の情報や技術的な知見を提供しています。また、英文学術ジャーナルである『New Generation Computing』も発行しており、国内外の研究者に支持されています。

学会との連携

オーム社は、電気学会や電子情報通信学会、情報処理学会、人工知能学会、照明学会、電気設備学会といった日本で名の知られた学会と連携しています。これにより、専門的な機関誌や、NTT、日立、三菱、トヨタなどの大手メーカーが発行する技術ジャーナルの発行も行っています。さらに、オライリー・ジャパンやツールボックスなどの異なる出版社との書籍出版も行い、技術者向けの情報発信に努めています。

書店事業と今後の展開

かつてオーム社は京都市四条河原町や大阪市堂島に『オーム社書店』を運営していましたが、現在は書店事業からは撤退しています。しかし、その出版活動は活発であり、2014年11月には創業100周年を迎えるなど、その歴史と実績は今後も期待されています。

加盟団体とさらなる活動

オーム社は、一般社団法人日本書籍出版協会や自然科学書協会、工学書協会、一般社団法人日本出版インフラセンターなど、数多くの出版関連の組織に加盟し、出版業界の発展へ貢献をしています。これらの団体との連携を通じて、新たな情報の提供と発展を目指しています。

その豊富な知見と経験を活かし、今後もオーム社は理工学とコンピュータ関連の専門知識を広めるために努め続けるでしょう。

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