オーリッケの戦い

オーリッケの戦いについての詳細

オーリッケの戦いは、1139年7月25日にポルトゥカーレ伯アフォンソ・エンリケスとムラービト朝の軍との間で行われました。この戦闘は現在のポルトガル南部、アレンテージョ地方に位置するオーリーキの郊外で展開されましたが、正確な戦場の場所については未だに不明です。

当時、キリスト教徒のアフォンソ軍は数で大きく劣っていました。しかし、ムラービト朝は内部の分裂によって力を失っており、これがアフォンソ軍の勝利を後押ししました。結果的に、ポルトガル軍は5人のモーロ人の王を戦死させ、圧倒的な勝利を収めたのです。この戦いを記念して、ポルトガルの国旗には5つの青い盾がデザインされていますが、これは彼らへの勝利を象徴しているとされています。

オーリッケの戦いの後、アフォンソ・エンリケスはラメーゴにおいて貴族たちを召集し、ブラガ司教からの戴冠を受けてポルトガル王アフォンソ1世として即位しました。この瞬間、ポルトガルはカスティーリャ＝レオン王国からの独立を宣言し、国としてのアイデンティティを確立したのです。

この戦いは、ポルトガルの国民意識と深く結びついており、後に伝説化されました。戦いの前には、アフォンソの前に聖ヤコブが現れ、勝利を約束したという「奇跡の物語」が伝えられています。聖ヤコブはイベリア半島のレコンキスタの守護聖人として知られ、モーロ人狩りの聖ヤコブ（Santiago matamoros）とも称されています。この戦いがあった7月25日は、ちょうど聖ヤコブの祭日にもあたります。

しかし、実際に現れたのは聖ヤコブではなく、聖ゲオルギウスであったとか、あるいはイエス・キリスト本人だったという異なる語りも存在します。同様の話はスペインでも伝わっており、こうした伝説は後世の創作物に影響を与えたと考えられます。

オーリッケの戦いは、ポルトガルにとってただの戦闘ではなく、国の独立とアイデンティティの形成の重要な転機となりました。この戦いによって生まれた神話や伝説は、現代のポルトガル人の国民意識にも色濃く残り続けています。

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