オーリンズ準州

オーリンズ準州は、1804年10月1日から1812年4月30日まで、アメリカ合衆国に存在した自治的な編入領域です。この準州は、ルイジアナ買収によってアメリカがフランスから獲得した領土の一部から設立されました。

買収直後の1804年、北緯33度線以南の地域がオーリンズ準州として分離され、残りの領域はルイジアナ領土（後にルイジアナ準州、さらにミズーリ準州と改称）となりました。この分割は、広大なルイジアナ買収地の行政を効率化するために行われました。オーリンズ準州は、後のルイジアナ州の基礎となる重要な地域でした。

オーリンズ準州の設立にあたっては、1804年自治法が制定され、独自の司法制度が設けられました。この法律によってオーリンズ領土連邦地方裁判所とオーリンズ領土最高裁判所が設立されました。準州に連邦地方裁判所が設置されたのは、これが初めての事例でした。

1805年4月10日には、準州議会によって12の郡（オーリンズ郡、ラフォーシェ郡、ジャーマン・コースト、アカディア郡、アイバービル郡、アッタカパス郡、ポイントクーピー郡、オペルーサス郡、ラピッズ郡、コンコルディア郡、ナケテシュ郡、ワシタ郡）が設置されました。ただし、ミシシッピ川東岸のフロリダ郡部はこの時点ではオーリンズ準州に含まれておらず、1810年に併合されるまでスペイン領西フロリダの一部でした。また、西のスペイン領テキサスとの国境は、1819年のアダムズ＝オニス条約まで確定しませんでした。このため、サビーン川の東に位置するルイジアナ中立地（サビーン自由州）と呼ばれる地域が、1807年頃から1819年まで緩衝地帯として存在しました。

オーリンズ準州では、ウィリアム・クレイボーンが最初で唯一の知事を務めました。彼はその後、ルイジアナ州の初代知事にもなっています。準州長官には、ジェイムズ・ブラウン（1804年-1807年）とトーマス・ボリング・ロバートソン（1807年-1811年）がいました。また、1806年12月にはダニエル・クラークが、合衆国議会下院の最初の準州代表者に選出されました。

オーリンズ準州は、短期間の存在でしたが、アメリカ合衆国の西部拡大において重要な役割を果たしました。特に、ルイジアナ州への昇格に向けて、司法制度や地方行政の基盤を築いたことが特筆されます。

参考資料

1805 Orleans Territory Map
Louisiana Documents: The counties as defined by the Territorial Legislature, 1805.
* The Political Graveyard: Secretaries of Orleans Territory

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