オーリン・ノリス

オーリン・ノリス（Orlin Norris）は、アメリカ合衆国出身の元プロボクサー。1965年 10月4日生まれ。身長180cm、リーチ178cmという体格を持ち、主にヘビー級とクルーザー級で戦った。元WBCおよびIBF世界スーパーウェルター級王者であるテリー・ノリスは実弟にあたる。

来歴

オーリン・ノリスは1986年 6月16日にプロキャリアを開始した。キャリア初期はヘビー級で活動する。

1987年 11月25日、NABF北米ヘビー級王者ラリー・アレクサンダー（アメリカ）に挑戦し、2-0の判定勝利を収めて初タイトルを獲得した。この王座を数度防衛する。

1989年 4月25日には、元WBA世界ヘビー級王者であるグレグ・ペイジ（アメリカ）と対戦。この試合で3-0のユナニマス判定勝ちを収め、NABF王座の4度目の防衛に成功した。

しかし、1989年 11月21日に行われた6度目の防衛戦でトニー・タッブス（アメリカ）に0-2のスプリット判定で敗れ、王座を失う。だが、試合後にタッブスから禁止薬物が検出されたため、この試合の裁定は無効試合に変更された。

1990年2月17日、空位となったNABF北米ヘビー級王座を巡り、バート・クーパー（アメリカ）と対戦するも、8回TKOで敗れ、王座返り咲きはならなかった。

同年11月17日には、後のWBC世界ヘビー級王者となるオリバー・マッコール（アメリカ）とノンタイトル戦で対戦し、2-1のスプリット判定で勝利を収めている。

1991年 4月3日、再びNABF北米ヘビー級王座決定戦の機会を得て、ライオネル・ワシントン（アメリカ）と対戦。この試合では初回KOという鮮烈な勝利で王座に再び就く。

だが、初防衛戦となった1991年 6月3日のトニー・タッカー（アメリカ）との対戦では、1-2のスプリット判定で惜敗し、王座から再び陥落した。

1991年 8月17日、ノリスは階級をクルーザー級に下げ、NABF北米クルーザー級王者ジェシー・シェルビー（アメリカ）に挑戦。10回負傷判定での勝利により、この階級でのタイトルを獲得した。NABFクルーザー級王座はその後3度防衛する。

世界王座獲得とその防衛

1993年 11月6日、ノリスはWBA世界クルーザー級王座決定戦に出場。マルセロ・フィゲロア（アルゼンチン）と対戦し、6回KOで勝利し、自身初となる世界王座を獲得した。

世界王者となった後も、ノンタイトル戦としてアート・ジマーソン（アメリカ）と対戦し勝利している。

世界王座の初防衛戦は1994年 3月4日、アーサー・ウィリアムス（アメリカ）を相手に行われ、2-1の判定で辛くも勝利。

同年7月2日にはウィリアムスとダイレクトリマッチで再戦し、3回TKOで勝利を収め、2度目の防衛に成功した。

1995年 3月17日に行われた4度目の防衛戦では、アドルフォ・ワシントン（アメリカ）と対戦し、3-0の僅差判定で勝利した。

しかし、同年7月22日に行われた5度目の防衛戦でネート・ミラー（アメリカ）に8回KOで敗れ、WBA世界クルーザー級王座を失った。

キャリア後半

世界王座陥落後、ノリスは再びヘビー級での活動も視野に入れる。1997年12月13日には、WBA世界ヘビー級王座への挑戦権をかけた試合でヘンリー・アキンワンデ（イギリス）と対戦するが、0-3の判定で敗れ、ヘビー級世界王座挑戦の機会は得られなかった。

1998年 5月22日、IBA世界スーパークルーザー級王座決定戦で、かつてWBA王座防衛戦で戦ったアドルフォ・ワシントンと再戦。3年2か月ぶりの対戦で、ノリスが3-0の判定勝ちを収め、IBA王座を獲得した。

同年8月6日には、WBA世界王座を奪われたネート・ミラーと3年ぶりに再戦。このIBA王座の初防衛戦で、ノリスはミラーに3-0の判定勝ちを収め、雪辱を果たした。

1999年 6月26日にはペレ・リード（イングランド）と対戦し、初回KO勝利を飾る。

1999年 10月23日、ボクシング界で大きな注目を集めたマイク・タイソン（アメリカ）との対戦が実現する。しかし、初回終了のゴングが鳴り響いた直後にタイソンが左フックを放ち、これがノリスにヒット。ノリスはダウンし、膝を脱臼してしまうというアクシデントが発生した。タイソンには減点2が課されたが、ノリスは試合続行が不可能となった。問題となったパンチは故意ではないと判断され、この試合はノーコンテストとなった。

2001年 1月27日、WBAインターコンチネンタルヘビー級王座決定戦で、当時勢いのあったビタリ・クリチコ（ウクライナ）と対戦するが、初回KO負けを喫し、王座獲得はならなかった。

キャリア晩年、2005年7月21日には元IBF世界クルーザー級王者ワシリー・ジロフ（カザフスタン）と対戦し、0-1のドローという結果に終わった。

そして、2005年 11月3日に行われたオラ・アフォラビ（イングランド）との対戦で7回TKO負けを喫し、この試合を最後に現役を引退した。オーリン・ノリスは、キャリアを通じて多くの強敵と戦い、ヘビー級とクルーザー級の両階級で存在感を示したボクサーである。

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