カザフスタン

カザフスタン共和国

カザフスタン共和国（Kazakhstan）は中央アジアに位置する共和制国家です。カザフ語では「Қазақстан Республикасы」、ロシア語では「Республика Казахстан」と表記されます。この国は、周囲をロシア、中華人民共和国、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと接しており、南西には世界最大の湖カスピ海も広がっています。現在の首都はアスタナで、2019年から2022年までは初代大統領の名前を冠した「ヌルスルタン」という名称が使用されていました。カザフスタンは1997年に旧都アルマトイから新たに首都を移転しました。

地理と概要

国土面積は約272万平方キロメートルで、これは世界第9位を誇ります。また、見事な内陸国でもあり、イスラム教徒が人口の大半を占める国としても特異な位置付けとなっています。人口は約1900万人で、1平方キロメートルあたりの人口密度は非常に低く、6人以下となっています。

カザフスタン領域の歴史は、古代の遊牧民や帝国の興亡に彩られています。スキタイ人やアカメネス朝の影響を受けながら、テュルク系の遊牧民がこの地に根を下ろしました。13世紀にはモンゴル帝国の支配を受け、後にロシア帝国の影響も強まります。1936年にはソビエト連邦の一部としてカザフ・ソビエト社会主義共和国が設立され、1991年のソ連解体を経て独立を獲得。現在、カザフスタンは資源が豊富で、特に石油と天然ガスの産出が経済を支える重要な要素となっています。

政治と経済

政治体系は大統領制を採用しており、現在の大統領はカシムジョマルト・トカエフ氏です。大統領は直接選挙で選ばれ、任期は5年です。政府は議会（両院制）を持ち、与党といくつかの野党が存在します。経済は資源依存が厚く、GDPの約60%を占める石油や天然ガスは国の主要な輸出品です。

カザフスタンの経済成長は1991年の独立後、民営化や国際的な投資によって加速されました。国際通貨基金（IMF）によると、2023年の国内総生産は約2,593億ドルに達しています。ウランの大産出国であり、世界のウラン市場で重要な地位を占めています。しかし、鉱山開発の進展とともに埋蔵量減少の問題も浮上しています。

国際関係と文化

カザフスタンは国際的にも積極的な外交政策を展開しており、国際連合、ユーラシア経済連合、イスラム協力機構など多くの組織に加盟しています。また、周辺国家との良好な関係を重視しています。文化的には多民族国家であり、多様な民族が共存し各自の伝統を保ちながらも、国家としてのアイデンティティを形成しています。

社会と国民

カザフスタンの国民はカザフ人が69.6%を占め、続いてロシア人、ウズベク人と多様な民族構成です。言語はカザフ語が国語ですが、ロシア語も広く使われており、特に都市部ではロシア語使用者が多いのが実情です。教育水準も高く、識字率は99.8%です。

このような多様性と歴史、文化から成るカザフスタン共和国は、中央アジアの中で特に注目される国となっています。独自の発展を続けながら、国際社会での役割を確立していくことが期待されています。

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