オールバニ (オレゴン州)

オレゴン州の歴史と文化が息づく街、オールバニ

オレゴン州西部に位置するオールバニは、リン郡の郡庁所在地であり、ウィラメット渓谷の中心部に位置する人口約5万6千人の都市です。カラプーイア川とウィラメット川の合流地点という地理的な特性から、古くは先住民族カラプヤ族が生活を営んでいました。彼らはこの地を「タケナー」と呼び、「大地の穴」を意味する言葉に由来します。

1848年、モンティース兄弟によって町が建設され、彼らの出身地であるニューヨーク州のオールバニにちなんで命名されました。初期は羊毛や穀物の集積地として栄え、その後、鉄道の開通とともに木材、皮革、食品加工などの工業が発展しました。また、アメリカ合衆国鉱山局の施設があるなど、産業都市としての側面も持っています。

歴史を物語る街並み

オールバニの歴史は、1846年にヨーロッパ人が移住してきたことに始まります。モンティース兄弟は、不法居住者から土地を購入し、町の基礎を築きました。1849年には、オールバニ初の木造家屋であるモンティース邸が建てられ、当時としてはオレゴン州で最も優れた邸宅とされました。その後、学校や製粉工場も建設され、町は急速に発展しました。

一時「タケナー」という名称が使われたこともありましたが、後に「オールバニ」の名称が復活しました。1852年には郡庁所在地となりましたが、市として法人化したのは1864年です。

多様な産業が支える都市

オールバニは「希少金属の世界首都」とも呼ばれ、ジルコニウム、ハフニウム、チタンなどの産出地として知られています。また、芝生の種の主要な輸出地域であり、トウモロコシ、豆、ハッカ、イチゴ、ヘーゼルナッツなどの農産物も生産されています。

近年は製材業の衰退や製造業の外注化が進んでおり、リン郡の失業率は比較的高くなっていますが、国立エネルギー技術研究所の下位機関であるオールバニ研究センターが存在し、金属産業や合金産業の研究を担っています。

文化とレクリエーション

オールバニでは、「ノースウェスト・アート・アンド・エア・フェスティバル」や「リバー・リズムズ」など、年間を通して様々なイベントが開催されています。また、「ベテランズ・デイ・パレード」はアメリカ合衆国西部でも有数の規模を誇ります。

市内には、モンティース邸やオールバニ地域博物館などの歴史的な名所があり、オールドタウンは古風な店やレストラン、歴史ある劇場などが並ぶエリアとして知られています。また、ゴルフコースやボウリング場、33の公園など、レクリエーション施設も充実しています。

教育機関としては、リン・ベントン・コミュニティ・カレッジが本部を構え、グレーター・オールバニ公立学区が地域を管轄しています。かつて存在したオールバニ・カレジエイト・インスティテュートは、現在はルイス・アンド・クラーク大学としてポートランドで存続しています。

交通と社会基盤

オールバニは、州間高速道路5号線や国道20号線など、主要な幹線道路が通っており、交通の便が良い場所です。アムトラックの駅には、シアトルとロサンゼルスを結ぶ「コースト・スターライト」や、シアトルとユージーンを結ぶ「アムトラック・カスケーズ」が停車します。市内には公共交通機関のオールバニ・トランジット・システム（ATS）が運行しており、近隣の都市へのバス路線も充実しています。

また、1920年に開港したオールバニ市営空港は、オレゴン州で最も古い空港の一つです。医療施設としては、サマリタン・オールバニ総合病院があり、地域医療を支えています。

オールバニは、歴史、文化、産業が調和した魅力的な都市であり、訪れる人に多くの発見と感動を与えてくれるでしょう。

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