オール・バイ・マイセルフ

オール・バイ・マイセルフ

「オール・バイ・マイセルフ」は1975年にエリック・カルメンが発表したパワーバラードです。この楽曲は、孤独や失恋の感情を力強く歌い上げ、多くの人々の心に響きました。

音楽的背景

この曲の特徴的な部分の一つは、リフレインの前に置かれた序奏部分のバースです。実はこのバースは、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフによる「ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18」の第二楽章（アダージョ・ソステヌート）を基にして作られています。オーケストラの豊かな響きが、カルメンの歌声を引き立てています。さらに、コーラス部分はカルメンが以前参加していたバンド「ラズベリーズ」のために1973年に作成された「レッツ・プリテンド」から引用されています。音楽的には甘美でありながら力強さを秘めた作品となっています。

また、中間部にはスライドギターのソロがあり、ヒュー・マクラッケンが演奏しました。これにより曲はより一層感情的な表現を強め、リスナーの心を惹きつけています。

チャートでの成功

「オール・バイ・マイセルフ」は1976年にBillboard Hot 100で最高位2位を記録しました。その間、他にもミラクルズの「ラブ・マシーン」やエアロスミスの「ドリーム・オン」などがTop10に入っていました。特に1976年3月6日から3月20日までの3週間、強力な競争が繰り広げられました。

日本では1991年から1992年にかけて「トヨタ・ソアラ」のCMソングとして使用され、また2003年から2004年には「ダイハツ・コペン」のCMでも流れ、多くの視聴者に耳に残っているでしょう。

カバーアーティスト

この楽曲は多くのアーティストによってカバーされています。中でも1996年にセリーヌ・ディオンが自身のアルバム『FALLING INTO YOU』から発表したバージョンは非常に有名です。このシングルは、バハマのコンパス・ポイント・スタジオにてデイヴィッド・フォスターとジョン・フィールズがプロデュースしたもので、ヨーロッパ、オーストラリア、北米、日本の各地で相次いでリリースされました。特に日本では1997年1月22日に登場し、多くのファンに支持されました。

もう一人の注目すべきカバーアーティストはカザフスタンの男性歌手ディマシュ・クダイベルゲンです。彼のカバーはその独自の声と表現力で大きな話題を呼んでいます。

結論

「オール・バイ・マイセルフ」はパワーバラードの金字塔であり、その音楽的背景や多くのアーティストによるカバーを通じて、時代を超えて愛され続けています。この曲に込められた孤独感と感情を表現する力強さは、今なお多くの人々の心を打ち、共感を呼び起こしています。音楽の力を再認識させる、名曲といえるでしょう。

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