ダイハツ・コペン

ダイハツ・コペン：軽自動車オープンカーの歴史と魅力

ダイハツ工業が製造・販売する軽自動車規格のオープンカー、コペン。その魅力を探るため、初代モデルから2代目モデルまでの歴史、特徴的な機構、多様なグレード展開、そして輸出モデルやコンセプトカーについても詳しく解説します。

初代モデル：L880K型 (2002年-2012年)

2002年に発売された初代コペン（L880K型）は、ダイハツにとって1993年のリーザスパイダー以来となるオープンカーでした。軽自動車としては初めて電動油圧ポンプによる開閉式ルーフ「アクティブトップ」を採用し、高い注目を集めました。パワートレインは64馬力の直列4気筒DOHCツインスクロールターボエンジンを搭載し、5速MTと4速ATが選択可能でした。

特徴的な技術と製造

初代コペンは、ダイハツ池田工場のエキスパートセンターで熟練技能者による手作業での最終調整が行われていました。ボディカラーは、深みのある艶やかな輝きを実現する5層コート「Double Clear塗装」を採用（一部カラーは4層コート）。また、発売当初はMT車とAT車の価格が同一という、当時としては珍しい価格設定でした。

多彩なグレードと特別仕様車

アクティブトップに加え、脱着可能な樹脂製ルーフの「ディタッチャブルトップ」も設定。さらに、レザーパッケージ、数々の特別仕様車（ファーストアニバーサリーエディション、セカンドアニバーサリーエディション、アルティメットエディションなど）が販売され、オーナーの好みに合わせた選択が可能でした。これらの特別仕様車は、レカロシート、アルカンターラ内装、BBSホイールなど、スポーティで上質な装備を備えていました。

輸出仕様

2003年からはイギリスやオーストラリアなどへ輸出され、右ハンドル仕様のみという日本車としては異例な展開ながら、ドイツへの輸出も行われました。輸出仕様車には、660ccモデルに加え、1.3Lエンジン搭載モデルも存在しました。

2代目モデル：LA400K型 (2014年-2024年)

2014年にフルモデルチェンジされた2代目コペン（LA400K型）は、先代とは大きく異なるコンセプトで登場しました。新しい骨格構造「D-Frame」と、ボディパネルの着せ替えを可能にする「Dress-Formation」システムが、その最大の特徴です。

D-FrameとDress-Formation

D-Frameは、高剛性ボディを実現することで、優れた走行性能とルーフオープン時の剛性確保を両立。Dress-Formationシステムは、ボンネット、トランク、バンパー、フェンダーなど、ボディ外板の11パーツを着せ替えできる画期的なシステムです。これにより、ユーザーは自分好みのスタイルにカスタマイズすることが可能となりました。

多様なグレードとカスタマイズ

2代目コペンには、「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」「GR SPORT」の4つのグレードが設定されました。それぞれ異なるデザインコンセプトと装備を持ち、個性を際立たせています。「ローブ」はエレガントなスタイル、「エクスプレイ」はスポーティなスタイル、「セロ」は初代を思わせる丸型ヘッドランプが特徴です。「GR SPORT」はトヨタのGAZOO Racingとのコラボレーションモデルで、高性能パーツが標準装備されています。

特別仕様車と限定車

2代目コペンでも、様々な特別仕様車や限定車が発売されました。「ローブS」「エクスプレイS」「セロS」は、レカロシートやBBSホイールなど、上級装備を備えたモデルです。また、数量限定の「クーペ」は、CFRP製ハードトップを採用したモデルとして人気を博しました。

まとめ

コペンは、軽自動車でありながら、オープンエアの楽しさと高い走りの性能、そして多彩なカスタマイズ性を兼ね備えた、唯一無二のモデルです。初代モデルの完成度の高さ、2代目モデルの革新的な機構は、多くのユーザーを魅了し続け、軽自動車史にその名を刻みました。今後、コペンの進化がどのように続くのか、注目していきたいところです。

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