オール讀物新人賞

オール讀物新人賞について

オール讀物新人賞は、株式会社文藝春秋が発行する小説誌『オール讀物』による公募の新人賞である。この賞は、創設当初である1952年から日本の文壇に新しい才能を発掘するため設けられたものだ。初めは「オール新人杯」という名称でスタートし、1960年の第17回から「オール讀物新人賞」と改称された。

賞の概要

オール讀物新人賞に応募するには、未発表の小説原稿を提出する必要がある。原稿は400字詰め原稿用紙で50枚以上100枚以内でなければならず、毎年6月20日が締切となっている。入賞作には、正賞と賞金50万円が贈られる。選考結果は、毎年11月号の『オール讀物』にて発表される。

長い間、応募方法は郵送に限られていたが、2018年の第98回からはWebでの応募も可能となり、より多くの作家志望者にチャンスが広がった。

新たな方向性

2021年に行われた第101回からは、特に歴史や時代小説に焦点を当てた「オール讀物歴史時代小説新人賞」へとリニューアルされ、新たな才能を追求する機会を提供している。

選考委員

この文学賞の選考は、歴代の著名な作家たちによって行われてきた。第1回から第3回の選考委員には、久生十蘭や村上元三、井上靖などが名を連ねており、卓越した評論家や作家たちがその後も多く参加している。選考委員は、回を重ねるごとに変わりながら新しい風を吹き込んでいる。

例えば、第10回から第15回には松本清張が参加し、また第20回から第30回には石原慎太郎や司馬遼太郎が名を連ねている。近年では、安部龍太郎や有栖川有栖など、現代を代表する作家もその選考に関与している。

受賞作の一覧

受賞作は長い歴史の中で数多く誕生しており、それぞれの作品が日本文学における重要な一歩となっている。特に歴史時代小説という新しいジャンルが設けられたことで、多様な展開が期待されている。これにより新進作家たちの視点が作品に多様に反映されることが可能になった。

まとめ

オール讀物新人賞は、53年以上の歴史を持つ公募新人賞として、新しい文学の発掘と振興に寄与してきた。特に近年では、デジタル時代に合わせた応募方式の多様化が進み、応募者への敷居が下がっている。この文学賞は、未来の文壇を担う才能を発見するための重要なステージとして、今後も成長し続けるだろう。

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