オーヴァープロテクテッド

オーヴァープロテクテッド (Overprotected)

ブリトニー・スピアーズの楽曲「オーヴァープロテクテッド」は、彼女の3枚目のアルバム『ブリトニー』から2001年にセカンド・シングルとしてリリースされました。ただし、オーストラリアでは同年12月に先行発売されています。

制作の背景と楽曲の特徴

この楽曲は元々、2ndアルバム『ウップス!...アイ・ディド・イット・アゲイン』の制作中に生まれたもので、当初は未完成のままでした。その後、『ブリトニー』に収録されることとなりました。

「オーヴァープロテクテッド」には、インターナショナルバージョンとダークチャイルドバージョンの2種類が存在します。インターナショナルバージョンは主にヨーロッパで、ダークチャイルドバージョンはアメリカでそれぞれ発売され、異なるプロモーションビデオが制作されました。

ブリトニー自身は、この曲について次のように語っています。「私が出かける場所は、常に準備万端に整えられていることが多いの。この曲は、そんな過保護な私の生活ととても共通点があると思う。私と同世代の子供たちも、ある程度はそう感じているんじゃないかしら。」

2003年のグラミー賞では、Best Female Pop Vocal Performance賞にノミネートされましたが、ノラ・ジョーンズの活躍により受賞を逃しました。

当初、カップリングには「シール・ネバー・ビー・ミー (She'll Never Be Me)」が収録される予定でしたが、2001年10月にリークされたため、急遽ダークチャイルドバージョンが収録されることになりました。

プロモーション・ビデオ

インターナショナルバージョン

インターナショナルバージョンのプロモーションビデオは、「ボーン・トゥ・メイク・ユー・ハッピー」でブリトニーと組んだビリー・ウッドラフが監督を務めました。

ビデオは、「オーヴァープロテクテッド」ではなく、同じく『ブリトニー』に収録されている「ボンバスティック・ラヴ (Bombastic Love)」のイントロから始まります。メディアに囲まれたブリトニーが車に乗り込み、走り去るシーンから、メディアをかわすために廃工場へ逃げ込み、ダンサーと共に激しいダンスを繰り広げます。ビデオの終盤では、ブリトニーの顔写真や新聞の見出しが壁や天井に張り巡らされた空間で彼女が歌うシーンが流れ、「過保護」状態を表現しています。

このビデオでブリトニーが着用している衣装は、アルゼンチンの衣料品メーカーKosiukoのものです。ブリトニー自身がこのメーカーの服を気に入ったことに加え、Kosiukoもブリトニーに衣装を提供することでアメリカ市場での宣伝を狙ったという背景があります。

ダークチャイルドバージョン

ダークチャイルドバージョンのプロモーションビデオは、「アイ・ラヴ・ロックン・ロール (I Love Rock 'n' Roll)」のビデオも監督したクリス・アップルバウムが担当しました。

ビデオは、ホテルでブリトニーが友人たちと自身に関する批判的なニュース番組を見る場面から始まります。ボディーガードをおとりに使いホテルを抜け出したブリトニーは、SUVに乗り込みます。走行中、SUVの後部が伸びてダンスホールのような状態になり、ダンスシーンが挿入されます。その後、SUVは雨の降る裏路地でブリトニーたちを降ろし、そこで彼女たちのダンスはさらに激しさを増します。最後には再びメディアに見つかり、翌日のニュースで報道されるというストーリーです。

このビデオは、ジャネット・ジャクソンの「サン・オブ・ア・ガン (アイ・ベッチャ・シンク・ディス・ソング・イズ・アバウト・ユー) (Son of a Gun (I Betcha Think This Song Is About You))」のPVと類似しているとの指摘もありました。なお、このシングルは世界的には2ndシングルですが、アメリカ国内では「ノット・ア・ガール」の方が先にリリースされているため、3rdシングルとなります。

チャートパフォーマンス

アメリカ国内では、アルバムに収録されているインターナショナルバージョンではなく、リミックスのダークチャイルドバージョンが発売されましたが、ビルボードHot 100では最高86位と期待外れの結果に終わりました。ラジオチャートでもチャートインを逃すなど、ブリトニーとしては不名誉な結果となりました。

国際的にも、この時点では「ドント・レット・ミー・ザ・ラスト・トゥ・ノウ」に次ぐ失敗作とみなされ、多くの国でトップ10に入るのがやっとでしたが、イギリスでは4位に食い込むなど、完全な大失敗というわけではありませんでした。最終的には、世界で200万枚を売り上げました。

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