カイオ・ドゥイリオ級戦艦

カイオ・ドゥイリオ級戦艦

カイオ・ドゥイリオ級戦艦は、イタリア海軍（王立海軍）が第一次世界大戦中に建造した弩級戦艦群であり、カブール級の後継艦として位置づけられています。この艦級の最初の船は、1915年に竣工したカイオ・ドゥイリオです。特にこの艦は、初代のカイオ・ドゥイリオの名称を受け継いでいます。

特徴

カイオ・ドゥイリオ級は、カブール級の基本設計を踏襲しつつも、多くの改良が施されています。艦首は短船首楼型に改められ、新たに設計された「1909年型 30.5cm 砲」が搭載されました。主砲は背負い式に配置されており、艦の安定性を向上させる工夫がなされています。また、艦の各所ではカブール級で見られた不具合が改善されています。副砲は口径が12cmから15.2cmに増やされ、高速性を犠牲にしても巡洋艦を確実に撃破できる性能を追求しました。主砲は```三連装砲塔と連装砲塔```の変則配置で、新たな火力戦略が取り入れられています。

戦歴

第一次世界大戦中、カイオ・ドゥイリオ級艦はアドリア海で主に不活発な敵艦隊に対抗しつつ、船団護衛や海峡封鎖任務を行う活躍をしました。特に、本級の就役によりオーストリア＝ハンガリー帝国海軍に対する戦力が強化されましたが、戦争中の大規模な作戦には参加しませんでした。

近代化改装

戦後、カイオ・ドゥイリオ級の艦は1920年代に近代化改装を行いました。カイオ・ドゥイリオはこの改装中に爆発事故に遭遇したものの、比較的経歴が順調でした。その後、艦首にカタパルトが装備され、水上偵察機の運用も行われるようになりました。1931年には新たな脅威としてフランス海軍のダンケルク級戦艦が存在し、これに対抗するためにさらなる改装が急務となりました。

大改装とその結果

近代化改装は1937年から開始され、大幅な武器システムの見直しや艦体改良が施されました。主砲は口径を32cmに上げ、火力と射程が改良されましたが、総門数は減少しました。副砲はより効率的な配置に行い、艦載機や高角砲の性能も向上しました。新たな機関が搭載され、速力は向上し、より現代的な艦に生まれ変わりました。

第二次世界大戦

新たに改装されたカイオ・ドゥイリオは1940年に就役し、すぐに戦争に参加しましたが、「タラント空襲」で損傷することになります。以降、兵力不足の中で兵士の多くが新鋭艦に移管され、再び戦線に現れることになります。イタリアの降伏後も長く艦隊に残存し、1944年に再びイタリア海軍に復帰しました。

除籍とその後

戦後には艦隊旗艦としての役割を果たしつつ、NATO演習にも参加しました。しかし、老朽化し1956年に除籍され、スクラップ処分となり、44年の艦生を終えました。

同型艦

• - カイオ・ドゥイリオ (Caio Duilio)
• - アンドレア・ドーリア (Andrea Doria)

このように、カイオ・ドゥイリオ級戦艦は歴史的、戦略的に重要な役割を担った艦として記憶されています。その設計と改良は、戦艦という艦種の進化を象徴するものでもありました。

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