カイシャバンク

カイシャバンク：スペインを代表する総合金融機関

カイシャバンク（CaixaBank, S.A.）は、スペイン・バレンシアに本社を置く、スペイン3位の規模を誇る総合金融機関です。商業銀行としての店舗展開に加え、保険や資産運用といった幅広い金融サービスを提供しています。マドリード証券取引所に上場しており（BMAD: CABK）、その影響力はスペイン経済に大きく及んでいます。

設立と成長

カイシャバンクは、2007年にCriteria CaixaCorpとして設立されました。創業時は、スペイン企業としては過去最大規模となるIPO（新規株式公開）を達成し、その注目度の高さが伺えます。2008年にはIBEX 35（スペイン株式市場の代表的な株価指数）の構成銘柄に選定されました。2011年には経営体制の再編を行い、現在の社名に変更。この際に、アベルティスやガス・ナトゥラルといった大手企業の株式を売却しました。

その後も積極的な経営戦略を展開し、2012年にはBanca Civica、2013年にはBanco de Valenciaと相次いで合併。これらの合併により、カイシャバンクの資産規模は飛躍的に拡大しました。2014年には、イギリスのバークレイズのスペイン事業を買収するなど、成長を続けるために積極的にM&Aを推進しています。

カタルーニャ地方との深い繋がりと本社移転

カイシャバンクは、カタルーニャ地方を地盤とするLa Caixa Group（非公開企業）が株式の大部分を保有しており、同グループとの深い繋がりを持っています。しかし、2017年にはカタルーニャ地域の政治情勢の不安定さを背景に、本社をバルセロナからバレンシアに移転するという決断を行いました。この移転は、スペイン国内で大きな話題となりました。

国内外の投資と事業展開

カイシャバンクは、スペイン国内の大企業であるテレフォニカやレプソルにも投資しており、少数株主としての地位を維持しています。さらに、ポルトガルのBanco Português de Investimento（BPI）にも、大株主として重要な役割を果たしています。

社会貢献活動：カイシャ・フォーラム

カイシャバンクは、スペイン各地で運営されているカルチャーセンター「カイシャ・フォーラム」（Caixa Forum）のスポンサー企業でもあります。バルセロナ、マドリードなど主要都市に拠点を置くこれらのフォーラムは、大規模な美術展などを開催し、高い集客力を誇っています。バルセロナのカイシャ・フォーラムは、世界的建築家である磯崎新氏も設計に参加しています。これらの活動を通じて、カイシャバンクは社会貢献にも積極的に取り組んでいます。

まとめ

カイシャバンクは、設立以来、積極的な経営戦略とM&Aによって、スペインを代表する総合金融機関へと成長を遂げました。カタルーニャ地方との深い歴史的繋がりを持ちながらも、現在はバレンシアに本社を置き、スペイン経済を支える重要な役割を担っています。その事業は、商業銀行業務にとどまらず、保険や資産運用、そして社会貢献活動まで多岐に渡り、今後もスペイン経済において重要な存在であり続けるでしょう。

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