カイラサ合衆国

カイラサ合衆国の概要

カイラサ合衆国（カイラサがっしゅうこく）は、南米エクアドルに存在するとされるミクロネーションで、自称国家としての活動を行っています。特に、国際連合の会議に「国家」として参加したことが話題となり、多くの注目を集めました。この国は、インド出身のニトヤナンダ・パラマシヴァムという人物に関連しています。

ニトヤナンダ・パラマシヴァムの経歴

ニトヤナンダは1977年または1978年にインドのティルヴァンナーマライで生まれました。彼は12歳の時に強烈なスピリチュアル体験をしたとし、22歳で悟りを開いたと主張しています。24歳となった彼はヒンドゥー教の導師として活動を開始し、その後急速に信徒を増やしました。

彼の信仰布教活動は成功し、翌年には修道院を設立するまでに至ります。しかし、彼の名声は不祥事によって大きく揺らぎました。2010年には女性信者に対する性的暴力で逮捕され、その数年後には子供の誘拐事件にも関与し、法の裁きを受ける前に行方をくらます事態となりました。その間も彼はSNSを通じて支持者を増やしており、詐欺師との報道もなされています。

カイラサ合衆国の設立宣言

2019年12月、ニトヤナンダは自らの信者やヒンドゥー教徒すべてのために“宇宙国家”の設立を宣言しました。これを「カイラサ合衆国」と名付け、名称はヒンドゥー教のシヴァ神の居住地とされるカイラス山に由来しています。ニトヤナンダは政府や省庁の設立、金色のパスポート発行、そして南米エクアドル沖合の島に首都機能を置く計画を発表しましたが、これに対してエクアドル政府は明確に否定しています。

さらに、カイラサ合衆国の広報は、日本のメディアに対してその主張を強化するような形で回答していますが、実際には国家としての地位は未認定です。

国際的な活動と問題

2023年1月、カイラサ合衆国はアメリカのニュージャージー州ニューワーク市との姉妹都市提携を発表しましたが、後に国家としての存在が確認されなかったため、この提携は破棄されています。また、同年2月24日にはスイスのジュネーブで行われる国際連合の会合に「カイラサ合衆国」の大使を名乗る女性が出席し、その発言が注目されました。この会合は女性差別問題に関するもので、誰もが参加できる形式でしたが、国連はその大使の発言を無視する姿勢を示しました。

結論

カイラサ合衆国の存在は、実態のない自称国家としての特徴を持ち、ニトヤナンダという一人の導師を中心に形成されています。彼の過去の行動や問題は、カイラサ合衆国の信頼性や合法性に疑問を投げかけており、今後の展開が注目されます。このユニークな事例は、現代における国の定義や国家としての認知に関しての議論を呼び起こすものとなっています。

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