カイロ会談

カイロ会談の概要

カイロ会談は、第二次世界大戦中の1943年11月22日から26日まで、エジプトのカイロで開催されました。この会谈では、連合国の対日方針と戦後のアジアにおける重要な合意が形成されました。

会議は、エジプト駐在のアメリカ大使アレクサンダー・カークの邸宅で実施され、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領、イギリスのウィンストン・チャーチル首相、中華民国の蔣介石主席が参加しました。注目すべきは、ソビエト連邦の指導者ヨシフ・スターリンが会談に出席しなかった点です。スターリンは、日ソの関係を考慮し、蔣介石との面会を避けました。当時、日本は中国、イギリス、アメリカと戦争状態にありましたが、ソ連と日本の間は1941年の日ソ中立条約により平和な関係が続いていました。

会談の重要な焦点の一つは、日本によるフランスのインドシナ回復に関するものでした。アメリカ側は、蔣介石にインドシナの支配権を与えようとしましたが、彼はそれを拒否しました。この時期、アメリカとイギリスは、日本の侵略に対抗するために連携を強める必要性を感じていました。

1943年11月27日、会談は「カイロ宣言」として知られる重要な声明を公開しました。これは、日本が無条件に降伏するまで、連合国が軍の展開を続けることを明言しました。この宣言により、米英中の三国は、日本の拡張主義を抑制するための共同の努力を再確認しました。具体的には、「日本は1914年以来占領したすべての島嶼を没収される」という内容や、「日本が中国から盗んだ満洲や台湾は中華民国に返還される」といった取り決めが含まれていました。また、宣言では朝鮮が「適当な時に自由と独立を得る」という声明も出されました。

カイロ会談の終了後、スターリンはイランのテヘランでルーズベルト、チャーチルと再び会談を持つことになり、戦後の戦略を伺う重要な一歩となりました。

日本国内での反応

カイロ会談は日本国内で大きな注目を集め、批判的な報道が相次ぎました。1943年12月2日に発行された朝日新聞では、会談を敵対国であるアメリカとイギリスが日本に対抗するために急遽集まった結果であるとし、その意義を否定しました。「実に日本を三等国に転落させることを目指した侮辱的決議である」との見解が示されました。このように、国内の報道はカイロ会談に対して非常に否定的であり、連合国の動きに対する不安感や焦燥感が色濃く表れていました。

この会談を通じて、連合国は戦後秩序を維持するための連携を強化し、中国に対する配慮を欠かさず、アジアにおける新しいパワーバランスを作り出しました。その結果、カイロ会談は単なる軍事戦略の枠を超え、国際関係における新たな一歩を象徴する重要な出来事と位置付けられることとなりました。

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