カコフォニー (バンド)

カコフォニーは、1986年にアメリカで結成されたヘヴィメタル・バンドです。特筆すべきは、後にメガデスに加入するマーティ・フリードマンと、デイヴィッド・リー・ロスのバンドに参加するジェイソン・ベッカーという、2人の卓越したギタリストが在籍していたことです。

結成の経緯

ジェイソン・ベッカーがシュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーに送ったデモテープが高く評価されたことが、バンド結成のきっかけとなりました。ヴァーニーはベッカーに対し、以前に自身のレーベルからアルバムをリリースしていたマーティ・フリードマンとのバンド結成を提案しました。ヴォーカリストのピーター・マリノは、1983年にシュラプネルからデビューしたバンド「Le Mans」のメンバーであり、Le Mansのドラマーであったケニー・スタヴロポロスも後にカコフォニーに参加しています。

デビューと解散

1987年、カコフォニーはデビュー・アルバム『スピード・メタル・シンフォニー』を発表。このアルバムは、『ギター・ワールド』誌のスタッフが選出した「速弾きアルバムの名盤トップ10」で9位にランクインするなど、高い評価を得ました。1988年には、フリードマンのソロ・アルバム『ドラゴンズ・キス』、ベッカーのソロ・アルバム『パーペチュアル・バーン』に続き、カコフォニー名義でのセカンド・アルバム『ゴー・オフ』がリリースされました。『ゴー・オフ』のレコーディングには、当時バッド・イングリッシュに在籍していたディーン・カストロノヴォがドラマーとして参加しましたが、ツアーではケニー・スタヴロポーラスがドラムスを担当しました。

カコフォニーは1989年に解散。フリードマンは同年中にメガデスのオーディションを受け、1990年2月に正式加入しました。しかし、フリードマンとベッカーはカコフォニー解散後も親交を保ち、フリードマンが2014年に発表したソロ・アルバム『インフェルノ』には、ベッカーとの共作による「ホラーズ」が収録されました。また、ベッカーのアルバム『Triumphant Hearts』（2018年）にはフリードマンが妻の奥田日和と共にゲスト参加しています。

メンバー

ピーター・マリノ - ボーカル
マーティ・フリードマン - ギター
ジェイソン・ベッカー - ギター
ジミー・オーシェア - ベース（『ゴー・オフ』に参加）
アトマ・アナー - ドラムス（『スピード・メタル・シンフォニー』に参加）
ディーン・カストロノヴォ - ドラムス（『ゴー・オフ』レコーディングに参加）
ケニー・スタヴロポーラス - ドラムス（ツアー・メンバー）

ディスコグラフィ

『スピード・メタル・シンフォニー』 - Speed Metal Symphony (1987年)
* 『ゴー・オフ』 - Go Off! (1988年)

カコフォニーは短い活動期間でしたが、その音楽性は後のヘヴィメタル、特に速弾きギタリストに大きな影響を与えました。マーティ・フリードマンとジェイソン・ベッカーという、稀代の才能がぶつかり合い、生み出された音楽は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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