カシア・スムトゥニアク

カシア・スムトゥニアク（Kasia Smutniak、ポーランド語表記：Kasia Smutniak）は、1979年 8月13日にポーランドで生まれた女優、そしてファッションモデルです。名前はカシア・スムートニアック、あるいはカシア・アナ・スムートニアックと表記されることもあります。

経歴の始まりとモデル活動

彼女のキャリアは、故国ポーランドで開催された美人コンテストで準優勝したことから始まりました。この成功を機に、17歳という若さでモデルの世界へと足を踏み入れます。活動の場は瞬く間に国際的なものとなり、ロンドン、ニューヨーク、東京、ミラノといった世界の主要都市を股にかけて、トップモデルとして活躍しました。

女優としての飛躍

モデルとして国際的な知名度を得た後、カシア・スムトゥニアクは女優としての新たな道を切り拓きます。その最初の大きな一歩となったのは、2000年に公開されたイタリア映画『Al momento giusto』（ジョルジョ・パナリエッロ監督）での主演への抜擢でした。これを皮切りに俳優業を本格化させ、ポーランドのヤヌス・ザオスキー監督による映画『Haker』（2002年）にも出演。以降はイタリアを中心に、映画とテレビドラマの両分野で精力的に活動を続けています。

彼女の主な出演映画には、コソボ紛争下の劇的な出来事を描いたアレッサンドロ・バロリ監督の『ブラックバード・フォース』（2002年）、『Tredici a Tavol』（2004年）、『Ultimo 3 - L'infiltrato』（2004年）などがあります。『ブラックバード・フォース』は残念ながら日本未公開ですが、初期の重要な作品の一つです。

特に女優としての評価を高めたのは、2007年に主演した映画『Nelle tue mani』です。この作品での繊細な演技が認められ、2008年にはイタリアにおけるゴールデン・グローブ賞（外国人記者団によって選出されるGlobo D'Oro賞）で、最優秀女優賞にあたる「銀のリボン賞」を受賞しました。これは彼女の演技力が国内外から高く評価された証と言えるでしょう。

近年では、中世の歴史を描いた『バルバロッサ帝国の野望』（2009年）や、サッカーを題材にした『GOAL!3 STEP3 ワールドカップの友情』（2009年）、イソタ・トシ監督の長編デビュー作『Scontro di civiltà per un ascensore a Piazza Vittorio』（2010年）といった多様なジャンルの作品に出演しています。また、2014年には『カプチーノはお熱いうちに』でイタリア映画界における権威ある賞の一つ、ナストロ・ダルジェント賞の主演女優賞を獲得し、その実力を不動のものとしました。

広告塔としての顔

女優業と並行して、モデルとしても継続的に活動し、広告の世界でもその存在感を示しています。特にイタリアでは、2002年から2003年にかけて、大手携帯電話会社TIM（Telecom Italia Mobile）のCMキャラクターとして絶大な人気を博しました。彼女のチャーミングな姿は多くの人々に記憶されています。さらに2009年には、世界的ファッションブランド、ジョルジオ・アルマーニの新しい香水「アイドルドゥアルマーニ」のキャンペーンガールに起用され、その美貌と国際的な魅力がラグジュアリーブランドのイメージに貢献しました。

多才な語学力と活動的なライフスタイル

カシア・スムトゥニアクは、母国語であるポーランド語に加え、イタリア語、英語、ロシア語という複数の言語を流暢に話すことができます。これは国際的な活動を行う上で大きな強みとなっています。例えば、出演作『パリより愛をこめて』ではセリフのほとんどが英語でしたが、役作りの一環としてフランス語の勉強にも取り組むなど、常に向上心を持って語学に向き合っています。

また、彼女は非常にアクティブな一面も持っています。ポーランド空軍に所属していた父親の影響を受け、16歳という若さで航空機の操縦免許を取得しました。アウトドアスポーツをこよなく愛し、スキーやスカイダイビング、水泳といった様々なアクティビティを楽しむほか、ハングライダーやセーリングの免許も取得しているなど、その活動的なライフスタイルは多岐にわたります。

プライベート

プライベートにおいては、映画『ブラックバード・フォース』で共演したイタリア人俳優のピエトロ・タリコーネとの間に、2004年9月4日に娘ソフィーを出産しています。しかし、残念ながらタリコーネは2010年に事故で亡くなりました。その後、2011年夏からは映画プロデューサーのドメニコ・プロカッチ氏と交際を開始し、2014年8月には息子レオーネが誕生しています。

カシア・スムトゥニアクは、モデルとして国際的な名声を得てから、女優としてイタリアを中心に確固たる地位を築き上げました。多言語を操り、アクティブな趣味を持つ彼女の魅力は、スクリーンを超えて多くの人々を惹きつけています。

主な出演作品（映画）

『Al momento giusto』（2000年）
『Haker』（2002年）
『ブラックバード・フォース』（2002年）
『Tredici a Tavol』（2004年）
『Ultimo 3 - L'infiltrato』（2004年）
『Nelle tue mani』（2007年）
『バルバロッサ帝国の野望』（2009年）
『GOAL!3 STEP3 ワールドカップの友情』（2009年）
『Scontro di civiltà per un ascensore a Piazza Vittorio』（2010年）
『カプチーノはお熱いうちに』（2013年）

主な受賞歴

ゴールデン・グローブ賞（Globo D'Oro賞）
2008年度最優秀女優賞『Nelle tue mani』
ナストロ・ダルジェント賞
2014年度主演女優賞『カプチーノはお熱いうちに』

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