カタリナ (ナバラ女王)

カタリナ・デ・フォワ：激動の時代を生きたナバラ女王

カタリナ・デ・フォワ（1468年4月18日 - 1517年2月12日）は、15世紀後半から16世紀初頭にかけてのナバラ女王です。フランス語名はカトリーヌ・ド・フォワとして知られています。

生涯

父はフォワ伯ガストン4世とナバラ女王レオノール（自身も女王）の長男であるビアナ公ガストン・ド・フォワ。母はフランス王シャルル7世の娘マドレーヌです。兄フランシスコ（フランソワ）が若くして亡くなったため、カタリナが後継者となり、母マドレーヌが引き続き摂政を務めました。

1484年には、アルブレ領主ジャン（後のフアン3世）と結婚。この結婚により、後のナバラ王エンリケ2世（アンリ・ダルブレ）を含む13人の子が生まれています。

しかし、若くして女性であるカタリナの即位に対し、叔父であるナルボンヌ子爵ジャン・ド・フォワが王位継承権を主張し、ナバラは内乱状態に陥ります。この内乱は1497年まで続きました。

1500年に叔父ジャンが死去した後も、カタリナの苦難は終わりませんでした。カタリナの従妹にあたるジェルメーヌと再婚したアラゴン王フェルナンド2世（カタリナの祖母レオノールの異母弟）が、1512年に軍勢を率いてナバラに侵攻。翌1513年には妻の権利を主張してナバラ王に即位を宣言しました。

1515年までに、ピレネー山脈の北側を除くナバラの大部分はフェルナンドによって征服され、スペイン王国へと統合されていくことになります。

カタリナと夫フアンはフランスへと逃れ、バス＝ナヴァール（Basse-Navarre）と呼ばれる残された領土のみを、フランスの保護下で維持することになりました。

激動の時代に翻弄されながらも、ナバラの王位を守ろうと尽力したカタリナ。彼女の生涯は、当時のヨーロッパにおける政治情勢の複雑さを物語っています。

参考文献

レイチェル・バード 『ナバラ王国の歴史』 彩流社、1995年

関連項目

バス＝ナヴァール

もう一度検索