カタルーニャ共和国

カタルーニャ共和国とは

カタルーニャ共和国（カタルーニャ語: República Catalana）は、スペインのカタルーニャ地方において、過去に5度成立が宣言された共和国です。しかし、いずれの共和国も短命に終わり、現在に至るまで独立を達成していません。カタルーニャの独立運動は、17世紀から21世紀にかけて様々な形で展開されてきました。

歴史

17世紀

1641年、収穫人戦争の最中にカタルーニャ共和国の成立が宣言されました。しかし、スペイン軍の侵攻により、カタルーニャはフランス王国の属国となります。その後、スペインとフランスの間で争いが続き、1659年のピレネー条約によって、カタルーニャの一部がフランスに割譲されました。

19世紀

1873年、スペイン共和国の初代大統領に選出されたアスタニスラウ・フィゲーラスは、カタルーニャ共和国の成立を宣言しました。しかし、政党内の対立や経済危機により、混乱が起こり、フィゲーラスは退陣しました。

20世紀

1931年、カタルーニャ共和主義左翼の党首フランセスク・マシアーが、イベリア連邦内でのカタルーニャ共和国の成立を宣言しました。しかし、スペイン第二共和政の暫定政府によって、自治政府としてのジャナラリターの復活が認められることになりました。

1934年、リュイス・クンパンチが、スペイン連邦共和国内でのカタルーニャ国家成立を宣言しました。しかし、スペイン政府は軍を投入し、クンパンチらを逮捕しました。スペイン内戦後、フランコ政権はジャナラリターを停止させ、クンパンチは処刑されました。

21世紀

2010年代に入り、カタルーニャ自治州において独立を求める声が高まりました。2017年10月1日には独立を問う住民投票が行われ、賛成多数となりました。同年10月10日には、カルラス・プッチダモン州首相らが独立宣言に署名しましたが、スペイン中央政府との対話を模索するため、独立宣言は即時凍結されました。

その後、スペイン中央政府が自治権停止措置を発動したため、10月27日に自治州議会は独立宣言を可決しました。これを受け、中央政府は自治権停止措置を発動し、プッチダモン首相らを解任しました。プッチダモンはベルギーに出国し、スペイン高等裁判所は独立宣言の無効を宣言しました。

12月21日に行われた自治州議会選挙では独立派が過半数を占める勢いとなり、プッチダモンがベルギーより「カタルーニャ共和国が王国を破った」と勝利宣言を行いました。

現状

2017年の一方的独立宣言に関しては、スペイン中央政府と憲法裁判所が直後に独立宣言の無効を宣言し、2023年9月末において事実上の独立にも至っておらず、どの国家からも承認されていません。

カタルーニャの独立問題は、スペインの政治において重要な課題であり、今後もその動向が注目されます。

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