カッセルの戦い (1677年)

カッセルの戦い：仏蘭戦争における戦略的要衝を巡る激戦

カッセルの戦い（1677年4月11日）は、仏蘭戦争における重要な戦闘の一つです。現在のフランス・ノール県に位置するフランドル地方の都市カッセルで、オランダ軍とフランス軍が激突しました。この戦いは、スペイン領ネーデルラントにおけるフランス軍の勢力拡大を背景に起こりました。

戦いの背景

フランス軍は、スヘルデ川流域の制圧を目指し、沿岸のヴァランシエンヌ、カンブレー、サントメールを包囲する戦略を取りました。1677年3月にはヴァランシエンヌが陥落し、残る2都市も包囲下に置かれました。これに対し、オランダ総督ウィレム3世はサントメールの救援に向かいました。フランス軍は、オルレアン公フィリップ1世、ユミエール公ルイ・ド・クルヴァン、リュクサンブール公フランソワ・アンリ・ド・モンモランシーの指揮下、3万2000の兵力でオランダ軍を迎え撃つ体制を整えました。

戦闘の経過

1677年4月11日、カッセルにおいて両軍はついに交戦しました。オランダ軍は右翼がフランス軍左翼のリュクサンブール軍を一時的に撃退する戦果を挙げました。しかし、フランス軍右翼を率いるユミエール公の歩兵部隊がオランダ軍左翼を圧倒し、戦況は一変します。オランダ軍は崩壊し敗走を余儀なくされました。放棄された物資の略奪によって更なる崩壊は免れたものの、オランダ軍は負傷者8000人、捕虜4000人という甚大な損害を被りました。一方、フランス軍も4000人の損害を受けました。

戦いの結果と影響

カッセルの戦いの後、フランス軍は間もなくサントメールとカンブレーを攻略し、スヘルデ川上流を完全に制圧しました。この勝利により、フランス軍はフランドル地方における戦略的優位を確立し、その後の戦争の行方に大きな影響を与えました。

参考文献

* 友清理士『イギリス革命史（上）』研究社、2004年。

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